レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -343/451page
準絶滅危惧 トンボ目 エゾトンボ科
ハネビロエゾトンボ Somatochlora clavata Oguma 【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少
【形態】腹長37〜50o、後翅長39〜45o。エゾトンボ同様、未熟な個体は胸側に2本のあざやかな黄色条がある、中型のトンボ。体色は全身が鈍い金属光沢のある暗緑色。
【分布】日本特産種。北海道、本州、四国、九州に分布するが、産地はきわめて局地的である。
【県内の分布、生息状況】県内全域に分布するが産地は10カ所にも満たず、また生息地での個体数も非常に少ない。
【生息に影響を与えている要因】圃場整備水路整備
【特記事項】全国的に産地が激減していて、今後、あらたな全国版レッドデータブック保護対象種とする動きがある。
【主要文献】
横井直人・三田村敏正(1986)ハネビロエゾトンボを福島県で採集.月刊むし,(188):39.
横井直人(1997)福島県トンボ分布資料Y.ふくしまの虫,(15):10-14.
横井直人(1999)郡山市のトンボ.ふくしまの虫,(18):87-102.
佐藤由子・佐藤恵梨・三田村敏正(2000)鹿島町におけるハネビロエゾトンボの記録.ふくしまの虫,(19):53.
準絶滅危惧 トンボ目 トンボ科
ムツアカネ Sympetrum danae (Sulzer)
全国カテゴリー;準絶滅危惧【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少
【形態】腹長19〜24o、後翅長23〜26o。成熟しても赤くならないややずんぐりとした毛深い小型のアカトンボ。胸側の第1、2側縫線の黒条が太く特異なことから他種とは区別できる。
【分布】北海道と本州の高冷地に生息する。本州での生息地はきわめて局地的である。
【県内の分布、生息状況】尾瀬にのみ生息する。
【生息に影響を与えている要因】遷移進行踏みつけ
【特記事項】多くの図鑑類に会津若松市赤井谷地に本種が生息するとする記述がみられるが、これは間違い。赤井谷地に多産するマダラナニワトンボを本種と誤同定した初歩的文献を引用したのが原因。
【主要文献】
朝比奈正二郎(1954)尾瀬ヶ原の蜻蛉類.尾瀬ヶ原総合学術調査報告,758-768.