レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -350/451page
準絶滅危惧 コウチュウ目 タマムシ科
アオタマムシ Eurythyrea tenuistriata Lewis 【選定根拠】b 分布域の一部で生息条件悪化
【形態】体長16〜28o。上翅は金属光沢のある明るい緑色をしており、上翅両側は金色ないし金赤色を呈しており、非常に美しいタマムシである。
【分布】本州、四国、九州に分布しており、福島県大熊町が今のところの北限となっている。
【県内の分布、生息状況】いわき市から大熊町の阿武隈高地で見つかっている。阿武隈高地の針広混交林では今のところ個体数は少なくなく、モミやアカマツなどの立枯れ木から発見される。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採
【特記事項】本種の食樹であるモミが、生息域において選択的に伐採されているため、その保護が望ましい。福島県楢葉町から記載されたイワキアオタマムシE.obenbergeri Y. Kurosawaは、本種の異常個体と見なされるようになってきている。
【主要文献】
大桃定洋(1976)福島県いわき市のタマムシ5種.ELYTRA,4(2):356-36.
田添京二(1977)福島県産甲虫覚書(その九).福島生物,(20):1-5.
大桃定洋(1978)阿武隈山地のタマムシ4種.ELYTRA,6(2):66-67.
坂口春典(1987)福島県いわき市でアオタマムシを採集.月刊むし,(196):39.
大桃定洋・進藤健朗・田添京二(1998)福島県のタマムシ.ふくしまの虫,(16):27-38.
準絶滅危惧 コウチュウ目 カミキリムシ科
アサカミキリ Thyestilla gebleri (Faldermann) 全国カテゴリー;準絶滅危惧【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少b 分布域の一部で生息条件悪化
【形態】体長10〜15o。上翅は黒色で会合線と側縁に灰白色の縦条を持っているが、時に上翅全体が灰白色の微毛で覆われるものもある。
【分布】本州、四国、九州、隠岐に分布しており、本県が今のところ北限となっている。
【県内の分布、生息状況】西郷村1ケ所からしか見つかっていない。名前のとおり、戦前は栽培されていたアサの害虫であったが、最近の記録はほとんどがアザミ類からのものである。
【生息に影響を与えている要因】草地開発
【主要文献】
大桃定洋(1994)県南地方の甲虫分布資料(その5.追加記録).ふくしまの虫,(12):33-67.
水野谷昭三(2000)西郷村のアサカミキリ確認に成功.ふくしまの虫,(19):51-52.