レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -359/451page

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希少 コウチュウ目 コメツキムシ科

ミヤマヒサゴコメツキ

Homotechnes motschulskyi (Fleutiaux)

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少c 孤立した分布特性を有する
【形態】体長は7〜13o。体色は黒〜黒褐色を呈し、やや強い光沢を持っている。前胸と上翅の間が多少ともくびれていて、後翅は退化している。地域ごとに色彩、形態が少しずつ異なるため、これまでに30以上の亜種に分けられている。
【分布】本州、四国に分布しており、ブナ帯以上の石下から見つかっているが、いずれの産地でも個体数は少ない。
【県内の分布、生息状況】イイデミヤマヒサゴコメツキssp.aizu (飯豊山系)とヤミゾミヤマヒサゴコメツキssp.yamizo (棚倉町八溝山)、アイヅミヤマヒサゴコメツキssp.babai (天栄村二岐山)の3亜種が県内から知られているが、これらとは異なる亜種になると思われる個体が、阿武隈高地からも見つかっている。
【主要文献】
岸井尚(1989)On a New Subspecies of Hypolithus motschulskyi from Mt. Yamizo-san in Fukushima Prefecture.昆虫学評論,44(2):99-100.
岸井尚(1994)Notes on Elateridae from Japan and its adjacent Area(13).Bulletin of the Heian High School,(38):1-35.
岸井尚(1995)Notes on Elateridae from Japan and its adjacent Area(14).Bulletin of the Heian High School,(39):1-40.
大桃定洋・久保田正秀・沼田稔・市毛勝義・疋田直之(1993)茨城県の昆虫,コウチュウ目:88-196.


希少 コウチュウ目 ジョウカイボン科

キイロジョウカイ
Themus niisatoi M.Sato et K.Takahashi

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少b 生息地が局限
【形態】体長15.8〜20.4o。上翅は黄褐色を呈し、前胸背は中央部が黒色で周辺部が黄色にふちどられている。
【分布】今のところ本州だけから見つかっており、東京都、茨城県、栃木県、福島県で記録されているにすぎない。
【県内の分布、生息状況】泉崎村の湿地1地点から記録されている。
【主要文献】
大桃定洋(1999)県南地方の甲虫分布資料(その7),ふくしまの虫,(18):55-63.


希少 コウチュウ目 ツツヒラタムシ科

ツツヒラタムシ
Ancistria apicalis Reitter

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長5.0〜7.2o。扁平な細長い円筒形をしており、全体黒色を呈している。特異な体型から判別は容易である。
【分布】ツツヒラタムシ科は熱帯に分布の中心を持っている仲間で、本種は本州、四国、九州、対馬に分布しており、本州からの記録は非常に少ない。
【県内の分布、生息状況】久保田(1995)による金山町の記録が唯一のもので分布の北限となっている。金山町ではブナ枯枝から見つかった。
【主要文献】
久保田憲二(1995)ツツヒラタムシの福島県からの記録.月刊むし,(298):27-28.


希少 コウチュウ目 オオキノコムシ科

ウスモンホソオオキノコ
Dacne akitai Narukawa

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長2o内外。体型は長楕円形をしており、体色は全体が暗赤褐色を呈していて、上翅前半部のみ明るい赤褐色となっている。
【分布】今のところ分布が確認されているのは本州(三重県、京都府、福島県)だけである。
【県内の分布、生息状況】阿武隈高地のいわき市と原町市の2ケ所から記録されているが、いわき市ではウスヒラタケが腐った後、カラカラに乾いたものの下から見いだされた。
【特記事項】1992年に三重県で得られた個体をもとに記載された種で、その後ほとんど記録されていない。
【主要文献】
久保田憲二(1999)福島県のオオキノコムシ.ふくしまの虫,(18):37-46.


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