レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -360/451page
希少 コウチュウ目 オオキノコムシ科
アブクマチビオオキノコ
Tritoma kubotai Narukawa 【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少c 孤立した分布特性を有する
【形態】体長4o内外。体型は楕円形をしており、体は光沢のある黒色を呈し、上翅は黄色で半円形の大きな黒紋を有する。この黒紋は時に拡大して上翅のほとんどが黒色となることもある。
【分布】今のところ分布が確認されているのは福島県の阿武隈高地のみ。
【県内の分布、生息状況】阿武隈高地のいわき市、川内村、大熊町、原町市の4ケ所から記録されており、春から秋にかけて広葉樹に生えたアシグロタケとキアシグロタケから見いだされている。
【特記事項】1994年に福島県で得られた個体を基に記載された種で、現在までのところ阿武隈高地以外からは記録されていない固有種。
【主要文献】
Nobuyuki Narukawa(1994)A New Species of the Genus from Japan.昆虫学評論,49(2):155-158.
久保田憲二(1997)福島県原町市助常林道で採集したオオキノコムシ.北九州の昆虫,44(1):41-44.
久保田憲二(1999)福島県のオオキノコムシ.ふくしまの虫,(18):37-46
希少 コウチュウ目 ナガクチキムシ科
ネアカツツナガクチキ Hypulus cingulatus Lewis
【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長6〜8o。体型は細長い筒状。上翅の中央と後方に黄色毛による帯状紋を有し、上翅前半部が赤色を呈している。
【分布】本州、九州、屋久島に分布。
【県内の分布、生息状況】いわき市と西郷村から記録されており、ブナ林の広葉樹から見いだされている。福島県は分布の北限となっている。
【主要文献】
久保田憲二(1988)阿武隈山地の甲虫類の記録.ふくしまの虫,(7):36-37.
水野谷昭三(1998)中通り南部山地の甲虫について.ふくしまの虫,(16):39-45.
希少 コウチュウ目 ゴミムシダマシ科
キイロテントウゴミムシダマシ Leiohrodes masidai Nakane
【選定根拠】b 生息地が局限
【形態】体長3o前後。体は半球形をしており、体全体が光沢のある黄赤褐色を呈している。
【分布】本州と九州から生息が確認されているが、その分布は局地的である。
【県内の分布、生息状況】いわき市と相馬市の海岸部から見いだされている。相馬市では、河川河口部の広大なヨシ原において、落葉層や枯茎から多数の個体が発見された。
【主要文献】
久保田憲二(1998)キイロテントウゴミムシダマシを福島県で採集.月刊むし,(324):42-43.
希少 コウチュウ目 アリモドキ科
ワタラセミズギワアリモドキ Anthicus watarasensis Sakai et N. Ohbayashi 【選定根拠】b 生息地が局限
【形態】体長3.0〜3.5o。体色は全体が光沢のある黒褐色を呈しており、上翅に黄色斑紋が2対あるが、時に1対となる個体も見られる。
【分布】今までのところ本州(埼玉県、茨城県、栃木県、福島県)のみから知られている。
【県内の分布、生息状況】大桃(1999)による表郷村の1例があるだけである。
【主要文献】
大桃定洋(1999)県南地方の甲虫分布資料(その7).ふくしまの虫,(18):55-63.