レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -361/451page
希少 コウチュウ目 カミキリムシ科
キベリカタビロハナカミキリ
Pachyta erebia Bates 【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長14〜22o。体は全体黒色、上翅は普通肩部の外下方の小紋と、側縁の中央から翅端前に達する条紋、小楯板両側に時々現れるいずれも黄色の紋がある。
【分布】日本特産種で本州と九州から記録があり、温帯樹林帯上部に生息域を持っており、本州の中部山岳地帯が分布の中心。
【県内の分布、生息状況】山登(1982)による檜枝岐村の記録が1例があるだけであるが、夏期にリョウブやノリウツギなどの花上から発見されるようである。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
山登明彦(1982)福島県南会津地方の興味深いカミキリ.月刊むし,(139):31-32.
希少 コウチュウ目 カミキリムシ科
オトメクビアカハナカミキリ Gaurotes otome Ohbayashi
【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少c 孤立した分布特性を有する
【形態】体長7〜11o。体は黒色で、前胸背板は前・後縁をのぞいて赤色を呈するが、時に全体黒色となる。上翅は金属光沢のある青緑色。前胸背板の点刻が細かく非常にまばらで光沢のあることから、近縁種と区別できる。体色には若干の変異が認められている。
【分布】本州の関東・中部のハイマツ帯で分布が確認されている。
【県内の分布、生息状況】塩崎(1994)による檜枝岐村の記録が1例があるだけであるが、この記録はブナ帯におけるものなので、周辺のハイマツ帯から飛来したと考えられる。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
塩崎容正(1994)福島県におけるオトメクビアカハナカミキリの記録.月刊むし,(276):36.
希少 コウチュウ目 カミキリムシ科
クロサワヒメコバネカミキリ Epania septemtrionalis Hayashi
【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長8〜11o。体全体が黒色を呈し、触角と黄白色の後肢腿節基半部を除いて褐色がかる。日本産の同属種とは、前胸背板前縁後方がほとんどくびれず、側縁が中央後方までほぼ平行、背面はほぼ平坦で後縁前方に白色微毛紋を欠くことで容易に区別される。
【分布】本州、四国、九州に分布しており、中部以北での記録は非常に少ない。
【県内の分布、生息状況】南会津郡旭田村(現在の下郷町)が基準産地で、その後舘岩村といわき市から記録された。クリやミズキの花上から見いだされることが多い。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
Masao Hayashi (1950) On the Genus Epania Pascoe from Japan.昆虫学評論,5(1):1-5,
衣笠恵士・藤田宏(1978)奥会津(湯の花・檜枝岐地方)のカミキリ追加記録(1).さやばね,(4):6.
松崎有光・田添京二・大桃定洋(1987)阿武隈山地のカミキリ続報.月刊むし,(202):7-8.
希少 コウチュウ目 カミキリムシ科
ヤマトシロオビトラカミキリ Kazuoclytus lautoides (Hayashi) 【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長6〜11o。体全体が黒色を呈し、上翅の白色微毛は前方の分断されたC字紋と先端3分の1の横帯を有し、ややまばらな端紋も形成する。
【分布】本州、四国、九州に分布しており、丘陵地から低山地にかけて生息域があるが、産地はやや局所的である。
【県内の分布、生息状況】阿武隈高地のいわき市、楢葉町、相馬市から記録されており、カエデの花上から見いだされることが多く、モミを寄主植物としている。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
田添京二(1980)福島県産甲虫覚書その10.福島生物,(23):1-5.
大桃定洋(1981)阿武隈山地の甲虫(その2).おとしぶみ,(10):9-12.
田添京二・大桃定洋(1985)福島県阿武隈山地のカミキリ(下).月刊むし,(175):21-28.
久保田憲二(1998)ヤマトシロオビトラカミキリの採集記録.ふくしまの虫,(16):66.