レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -362/451page
希少 コウチュウ目 カミキリムシ科
タケトラカミキリ
Chlorophorus annularis (Fabricius) 【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長10〜15o。体は細形だが前胸が幅広く、淡黄色から黄色の微毛を密生し、黒色紋を持っている。
【分布】本州、四国、九州、伊豆諸島、佐渡、壱岐、対馬、屋久島、琉球列島に分布しているが関東以北の記録はほとんどない。
【県内の分布、生息状況】浜通りのいわき市と楢葉町から各1例ずつの報告があるのみである。平地のタケ林に依存しており、成虫はタケ類の乾燥した材に集まる。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
松崎有光・田添京二・大桃定洋(1987)阿武隈山地のカミキリ続報.月刊むし,(202):7-8.
久保田博道(1976)双葉郡・楢葉町付近のカミキリ.磐城高等学校生物部報(昭和52年2月):14-20.
希少 コウチュウ目 カミキリムシ科
ワモンサビカミキリ Pterolophia annulata (Chevrolat)
【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長9.5〜14.5o。体は暗褐色から黒褐色で、茶褐色の微毛に密に覆われている。小たて板の周辺は茶褐色の微毛をそなえ、上翅中央には灰白色微毛による不明瞭な環状紋がある。
【分布】本州、四国、九州、佐渡、伊豆諸島、隠岐、対馬、屋久島、種子島、琉球列島に広く分布し、本州では海流の影響をうけた温暖な地域に多く見られる。
【県内の分布、生息状況】佐藤(1998)による岩瀬村の記録が唯一のもの。岩瀬村での個体は灯火に飛来した。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
佐藤三國(1998)福島県でワモンサビカミキリを採集.月刊むし,(323):43.
希少 コウチュウ目 カミキリムシ科
カスガキモンカミキリ Paramenesia kasugensis (Seki et Kobayashi)
【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長8〜11o。前胸背板はほぼ筒状で、正中部と側面は黄色でほかは黒色を呈している。上翅は基部が褐色を帯び、5対の黄色紋を有している。上翅端はまるいかわずかに切断状。近似種のキモンカミキリは、上翅端に黄色紋がないことで区別は容易である。
【分布】本州、四国、九州、対馬に分布している。
【県内の分布、生息状況】阿武隈高地のいわき市と原町市から記録されており、原町市ではイヌシデより蛹と成虫が見いだされた。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
田添京二(1980)福島県産甲虫覚書その10.福島生物,(23):1-5.
田添京二・大桃定洋(1981)福島県のカスガキモンカミキリ.月刊むし,(120):34.
田添京二・大桃定洋(1991)阿武隈山地のカミキリ目録その後の追加記録.ふくしまの虫,(9):12-17.
希少 コウチュウ目 ハムシ科
キンイロネクイハムシ Donacia japana Chujo et Goecke 【選定根拠】b 生息地が局限
【形態】体長7.5〜9.0o。背面は全体が金銅色を呈し、上翅中央部に常に赤銅色の縦条を有するため、多種との判別は容易である。
【分布】本州、九州に分布している。
【県内の分布、生息状況】塙町、泉崎村、川内村から記録されており、他にいわき市でも得られている。ミクリ葉上やウマスゲ花上から見いだされる。
【主要文献】
小宮義璋・大桃定洋・高桑正敏(1986)ネクイハムシ類1985年の採集,観察記録.甲虫ニュース,(71):5-6.
大桃定洋(1987)ネクイハムシ類調査報告(1986年).Donaciist,(1):7-9.
大桃定洋(1993)県南地方の甲虫分布資料(その4.ネクイハムシ亜科).ふくしまの虫,(11):3-5.