レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -363/451page
希少 コウチュウ目 ハムシ科
オオネクイハムシ
Plateumaris constricticollis (Jacoby) 【選定根拠】b 生息地が局限
【形態】体長10〜12o。体は黒色で鈍い銅色光沢があり、触角、口部、肢は赤褐色を呈する。本県産は北海道〜東北地方の原亜種と、未命名の阿武隈型に属している。
【分布】北海道と本州に分布しており、原亜種(北海道〜東北地方産)、中部日本亜種(新潟県〜長野県産)、北陸亜種(富山県産)、中国亜種(兵庫県〜広島県産)の4亜種に分けられているが差異は判然とせず、最近は亜種に分けなくなってきている。
【県内の分布、生息状況】川内村、矢祭町、塙町、浅川町、西郷村、福島市から記録されており、いわき市、猪苗代町でも得られている。湿地周辺の半日陰のスゲ類や、コバイケイソウやミズバショウの葉上で発見される。
【主要文献】
小宮義璋・大桃定洋(1985)阿武隈山地南部花園山塊のネクイハムシ類.月刊むし,(168):38.
小宮義璋・大桃定洋・高桑正敏(1986)ネクイハムシ類1985年の採集,観察記録.甲虫ニュース,(71):5-6.
佐藤光一(1989)阿武隈山地南部のクロガネネクイハムシ.インセクト,40(2):135-136.
大桃定洋(1993)県南地方の甲虫分布資料(その4.ネクイハムシ亜科).ふくしまの虫,(11):3-5.
水野谷昭三(2000)県南部のオオネクイハムシについて.ふくしまの虫,(19):52.
希少 コウチュウ目 ハムシ科
タグチホソヒラタハムシ Leptispa taguchii Chujo
【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少b 生息地が局限
【形態】体長4.2〜4.5o。体は黒色で細長い。前胸背板は強く密に点刻され、その側縁は前方にやや広がり後縁前方でやや狭まる。
【分布】本州と九州に分布している。
【県内の分布、生息状況】久保田(1994)による福島市の記録が唯一のものである。ススキに依存している種で個体数が少ない。
【主要文献】
久保田憲二(1994)福島市摺上川上流域の昆虫コウチュウ目.ふくしまの虫,(12):33-67.
希少 コウチュウ目 ヒゲナガゾウムシ科
イトヒゲナガゾウムシ Exillis japonicola Nakane
【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長2.7〜3.5o。体に比して触角が非常に長く、雄では体長の4倍、雌では2〜2.5倍もある。背面は毛による灰色紋を有するが、変異が大きい。
【分布】本州、四国、九州、三宅島、御蔵島、八丈島、対馬、琉球に分布している。
【県内の分布、生息状況】妹尾(1987)による山都町の記録が唯一のものである。本種はシイなどの常緑広葉樹林に多く見られるが、山都町ではブナ林から発見された。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
妹尾俊男(1987)イトヒゲナガゾウムシの東北地方からの記録.月刊むし,(193):42-43.
希少 コウチュウ目 ミツギリゾウムシ科
ミツギリゾウムシ Baryrhynchus poweri Roelofs 【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】体長10.6〜23.5o。体色は光沢のあり赤褐色から黒褐色を呈し、上翅には6〜7対の黄赤色紋がある。雄の吻は短くて前方に広がるが、雌では細長い棒状となる。
【分布】本州、四国、九州、屋久島、琉球(中之島、奄美大島、徳之島、沖縄本島)に分布。
【県内の分布、生息状況】田添(1980)による楢葉町の記録が唯一のものであるが、楢葉町では広葉樹の伐採木よりしばしば見いだされている。福島県が分布の北限となっている。
【主要文献】
田添京二(1980)福島県産甲虫覚書その10.福島生物,(23):1-5.