レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -364/451page

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希少 コウチュウ目 ゾウムシ科

ババスゲヒメゾウムシ

Limnobaris babai Chujo et Morimoto

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少b 生息地が局限
【形態】体長3.8〜4.2o。体全体がやや光沢のある黒色を呈し、体型はやや細長い。
【分布】本州と九州に分布している。
【県内の分布、生息状況】斎藤ら(1999)による下郷町の記録が唯一のものであるが、川内村からも見いだされている。湿原のスゲ類の葉上などに見られる。
【主要文献】
斎藤修司・芳賀馨・平野幸彦・水野谷昭三・鈴木智史(1999)1999年福島虫の会調査会報告(南会津郡下郷町),ふくしまの虫,(18):5-26.


希少 チョウ目 シジミチョウ科

クロミドリシジミ
Favonius yuasai Shirozu

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】国内に産するミドリシジミ類のFavonius 属の中で他の雄の翅表は青緑色の光沢を有するのに対し、本種は黒色の光沢を有する特異的な存在。雌の翅表は他の雌と同様、光沢のない黒褐色をしている。
【分布】国内では、本州、九州に分布する。国外では、朝鮮半島に分布する。
【県内の分布、生息状況】県内では、県北から県南および会津盆地の里山環境の雑木林に分布する。いわき地方には、過去において多数確認されたこともあるが、全県的に希少な種である。本種の幼虫は、クヌギの高木に見られるが、幼虫に対する寄生率も高く、野外での羽化率は低い。
【生息に影響を与えている要因】雑木林伐採
【特記事項】クヌギの高木を含め、雑木林の皆伐を防ぐとともに、里山を保全することが望ましい。
【主要文献】
鈴木弘(1986)福島市弁天山におけるZephyrus類を中心とした最近の記録.ふくしまの虫,(5):9-11.
松崎有光(1981)福島県いわき市産蝶類最近の知見.ちょうちょう,4(5):43-53.


希少 チョウ目 シジミチョウ科

ハヤシミドリシジミ
Favonius ultramarinus Fixsen

【選定根拠】b 生息地が局限
【形態】国内に産するミドリシジミ類のFavonius 属の中で雄の翅表が青緑色の光沢を有するものの一種。雌は他の種と同様、翅表は黒褐色である。
【分布】国内では、北海道、本州、九州に分布。国外では、ウスリー、中国東北部、朝鮮半島に分布。
【県内の分布、生息状況】本種は幼虫の食草であるカシワの比較的大きな林に生息している。県内では、阿武隈山地、甲子高原、磐梯山周辺のカシワ林に分布している。
【生息に影響を与えている要因】土地造成
【特記事項】カシワの林の保護が重要である。県内でカシワが主林木の林の残っている場所は少なくなってきている。
【主要文献】
佐藤三国(1982)岩瀬郡岩瀬村の蝶類.ふくしまの虫,(2):7-10.
鈴木智史(1985)福島県内のゼフィルスとカトカラ採集覚書.ふくしまの虫,(3):1-4.
松崎有光(1981)福島県いわき市産蝶類最近の知見.ちょうちょう,4(5):43-53.


希少 チョウ目 シジミチョウ科

ムモンアカシジミ
Shirozua jonasi Janson

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】アカシジミに似るが、アカシジミは翅の裏面に数条の白帯列があるが本種にはないので容易に区別出来る。雌の前翅先端部には黒色斑が発達するが、雄では無いかあっても極めて小さい。
【分布】国内では、北海道、本州に分布する。国外では、中国大陸、アムール、朝鮮半島に分布する。
【県内の分布、生息状況】県内では各地に広く分布するが、いずれの地においても個体数は少ない。幼虫は初期の頃はクヌギの若芽とアブラムシ類を食べて成長するが、大きくなるにしたがってアブラムシのみを餌とする肉食となる。幼虫は、クロクサアリなどに守られ成長し、アリの巣の中で蛹化し羽化する。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採共生種減少
【特記事項】里山環境の雑木林の皆伐を防ぐこと、適宜人手を加え里山の維持管理に努めることが望ましい。
【主要文献】
鈴木智史(1985)福島県内のゼフィルスとカトカラ採集覚書.ふくしまの虫,(3):1-4.
鈴木弘(1986)福島市弁天山におけるZephyrus類を中心とした最近の記録.ふくしまの虫,(5):9-11.


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福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。