レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -377/451page
内容により詳細な分布状況や生息・生育状況等の調査を行った。
1)調査対象種選定基準
ア 一般鳥類(猛禽類を除く) 全国版レッドデータブックもしくはレッドリスト掲載種であるか下記の基準に合致する種を調査対象種とした。 a 現在に至るまでの間に生息・生育環境が悪化していると思われる種 b 生息環境や個体数が人為により大きな影響を受けやすいと思われる種 c 特殊な生育環境や繁殖環境を必要としている等、生息基盤が脆弱と思われる種 d 分布の限界に位置する種、個体数が本来少ないなど、学術的に貴重と思われる種 イ 猛禽類 県内に生息するトビを除く猛禽類を対象とした。 2)調査内容
@ 現地調査 ア 一般鳥類 調査地の選定は過去とのデータを比較するため、福島県森林整備課がとりまとめた「鳥類生息状況調査報告書(昭和54年〜58年調査実施)」から適当な地域を積極的に採用した。調査は、以下の方法で行った。 a 調査対象種リストに掲載された鳥類を観察するのに適当な調査地を県内に50箇所選定した。 b 調査地内に3kmの仮想調査線を設定し、両側50m、幅員100m程度の範囲内を調査区域とし、この区域内で見聞できる全ての鳥類と個体数を調査した。 c 調査は定点調査(開始点と終了点でそれぞれ30分行う。)と歩行調査(時速約2km)の併用で行った。 d 種別の確認は双眼鏡による視認とさえずり及び地鳴きによる確認の併用で行った。 e 調査地あたり6〜7月に1回、9月〜1月に1回の計2回、同一の調査経路で調査を行った。 f 調査地、調査日毎に調査結果を調査票に取りまとめた。 g 国土地理院発行の1/50,000地形図に開始点を「S.P」、終了点を「E.P」として調査経路を記録した。 イ 猛禽類 市街地で猛禽の生息に適しない地域や山岳地域で観察が困難な地区を除いた県内全域を調査地とし、実施にあたっては以下の方法で行った。 a 調査地内を5×5kmメッシュ(環境庁メッシュ使用)に分け、その中に1ヶ所の割合で定点観察地点を設けた。 b 定点観察は1ヶ所あたり延べ2日実施した。 c 調査時期は、生息が予想される猛禽の求愛期・造巣期と巣内育雛期を中心に行った。 d 調査地、調査日ごとに確認の有無、飛翔図を取りまとめた。 現地調査は、(財)日本野鳥の会福島県内支部連合会が行い、調査地域の指定は、ふくしまレッドデータブック作成検討委員会鳥類分科会と猛禽分科会が行った。