レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -380/451page

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絶滅危惧T類 タカ科

イヌワシ
Aquila chrysaetos japonica Severtzov
全国カテゴリー;絶滅危惧TB類

【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生息地で生息条件が悪化会津地域を主に10ペア余が生息・繁殖が確認されるが、繁殖率が近年低下しており、種の維持・保存が危ぶまれる。
【形態】大型の山鷲で全長81〜89p、翼開長168〜213p。雌の方が大きい。第5年の換羽で全体が黒褐色で後頭が金褐色の成鳥色になる。5000ha程度の生活圏で年中つがいで暮し、ノウサギやヤマドリやヘビを雄雌共同で狩りを行い捕食する。10月後半繁殖誇示行動の後、雄雌共同で主に岩棚にキタゴヨウ等で産座を造り、1月下旬から2月中旬に2個程産卵。3月に孵化、1羽の雛だけが5月下旬に巣立ち、親から狩り等の学習を受けて秋に独立する。
【分布】北半球の極北部を除く地域内で局地的に繁殖。日本では北海道から熊本県の山岳地帯に約400羽が推定生息。
【県内の分布、生息状況】新潟県境を含む、奥只見地域に「奥只見イヌワシ個体群」13ペア、山形県境を含む飯豊山系を含む会津地域に数ペアの生息を推定。近年、いずれの地域でも繁殖率が限りなく0%に近づいている。特に博士山では1993年の繁殖を最後にペアの姿が確認できない。
【生息に影響を与えている要因】開発に伴う人の出入りと騒音営業地近辺の森林伐採うっ閉人工林の増加
【特記事項】人間が出すゴミに誘引されたカラスがイヌワシの生息地まで入り込み雛を襲うなど生息に影響が出ている。
【主要文献】
菅家博昭(1997)「イヌワシ保護一千日の記録」.はる書房.
宮城県文化保護協会(1984)「翁倉山のイヌワシ」.宮城県
イヌワシ
 

 

絶滅危惧T類 タカ科

オオタカ
Aquila chrysaetos japonica Severtzov
全国カテゴリー;絶滅危惧U類

【選定根拠】A全ての生息地で生息条件が悪化B全ての個体群で強い捕獲・採取圧により減少
【形態】雄はハシブトガラス大、雌はこれより大きい。上面は暗青灰色、眉斑は白く明瞭で目立つ。下面は白く、黒褐色の横斑がある。飛翔時は翼が短くて幅が広い。翼下面は白く、黒褐色の横斑がある。嘴基部と足は黄色、虹彩は橙色または黄色。雌は褐色味が強く、虹彩は黄色。ほとんど鳴かない鳥だが、繁殖期には「キッキッキッ」と鋭く鳴き続ける。
【分布】留鳥で、四国・九州の一部、本州、北海道で繁殖する。ユーラシア、北アメリカに分布する。
【県内の分布、生息状況】平地から山地の林、農耕地に生息し、林縁部周辺で主に中型の鳥類を捕食する。県内の分布状況を見ると、中通りを中心に会津地方から浜通りにまで生息している。山地、里山の林で繁殖しているのが各地で確認されている。秋冬は農耕地や市街地にも出現し、ハトやカモを捕食する姿をしばしば見かける。
【生息に影響を与えている要因】里山(アカマツ林)開発密猟
【特記事項】里山(特にアカマツ林)の保全と密猟防止対策を行うことが望ましい。
イヌワシ


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