レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -385/451page

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絶滅危惧U類 ウ科

ヒメウ
Phalacrocorax pelagius Pallas

【選定根拠】@大部分の個体群で個体数が減少
【形態】雌雄同色でウミウよりひとまわり小さく、体全体が細く頭部から頸まで同じ太さに見える。全身黒色で成鳥では青紫色の光沢がある。目の下側の皮膚は裸出している。成鳥の夏羽は裸出部が鮮やかな赤褐色になり、頭頂と後頭部に冠羽を生じ、腰に白い三角斑を生ずる。成鳥の冬羽では裸出部が紫色になる。幼鳥は褐色を帯びて光沢がない。
【分布】北部日本、福岡県沖ノ島で繁殖するという。千島列島では周年生息し、本州太平洋岸のものは越冬個体である。
【県内の分布、生息状況】いわき市泉町の照島、同勿来町九面の勿来漁港には、ウミウに混じって生息しているが、いずれも数は少なく、ウミウの下位に位置する場所で休息している。ここの個体群は日中広範囲に採餌に出ると思われる。双葉郡広野町の海岸でもテトラポット上の個体が観察された。県内での繁殖は確認できない。本種はウミウに比べ外洋性の種であるといわれるが、沿岸の岩礁地帯や内湾、港、河口にも入って採餌する。
【生息に影響を与えている要因】海岸開発
【特記事項】いわき市勿来町九面の勿来漁港、同泉町下川の照島では崖の壁面に休んでいるのが観察される。
ヒメウ
 

 

絶滅危惧U類 サギ科

ヨシゴイ
Ixobrychus sinensis sinensis (Gmelin)

【選定根拠】A大部分の生息地で生息条件が悪化
【形態】サギ類中もっとも小さい。雄は頭上が黒く、体は黄褐色。飛ぶと風切が黒く、雨覆が黄褐色のためジャノメの異名がある。雌は頭上が赤褐色、下面に不明瞭な褐色縦斑がある。幼鳥は下面は白く、黒褐色の縦斑がある。ヨシ原の中で「オー、オー」と鳴き、飛び立つときに「カカカッカッ」という声を出す。
【分布】夏鳥として全国に渡来し、ヨシ原、水田、沼地、湖沼、河川などに生息し、マレーシア等で越冬する。
【県内の分布、生息状況】全県的に夏鳥として渡来し、水辺に生育する。中通りでの確認情報が多い。ヨシ原などに入っていると体色体型が保護色となり見つけにくい。飛び立つとフワフワした飛翔とコントラストのあるジャノメがよく目立つ。
【生息に影響を与えている要因】池沼開発農薬汚染
【特記事項】生息地の保全と越冬地での保護が望まれる。
ヨシゴイ


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