レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -387/451page
絶滅危惧U類 タカ科
オジロワシ Haliaeetus albicilla albicilla (Linnaeus) 全国カテゴリー;絶滅危惧TB類【選定根拠】@大部分の個体群で個体数が減少
【形態】全長約85cm、翼を広げると230cmに達する。トビよりかなり大きい。体は全体的に褐色で、頭頸部は淡褐色。体の下方になるほど黒味を増す。尾は短く、くさび形をなし白い。幼鳥の尾は褐色に白斑を混じ、成長するにつれて白色部が多くなる。嘴と足は黄色だがオオワシより黄色みが少ない。飛ぶときは翼の前縁がほぼ一直線をなし、後縁も一直線で板のように見える。ゆっくりとした羽ばたきと滑翔をまじえて飛び、高空で輪を描くこともある。
【分布】ユーラシア大陸の北部、一部は北海道の東部で繁殖し、冬期は主に日本の北部に飛来する。
【県内の分布、生息状況】冬期主に浜通りの海岸でみられるが、数は少ない。湖沼の多い地域にも飛来し、猪苗代湖、阿武隈川流域で観察されることがある。主に魚を餌とするが、水鳥類を捕食することもある。阿武隈川では大きなニゴイを急降下して捕まえ、近辺の山林で捕食していた。
【生息に影響を与えている要因】生息環境の改変餌となる魚類の減少
【主要文献】
日本野鳥の会会津支部(2000)会津のワシとタカ.歴史春秋出版.
絶滅危惧U類 タカ科
オオワシ Haliaeetus pelagicus pelagicus Pallas 全国カテゴリー;絶滅危惧U類【選定根拠】@大部分の個体群で個体数が減少
【形態】体長雄88p、雌102p。翼開長220〜240pで日本最大のワシ。嘴が大きく黄色で尾はくさび型で白く、他のワシと区別しやすい。海岸や河口、湖沼を生活圏とし、主に大型魚を捕食、水鳥や中形の哺乳類を襲うなど、オジロワシの習性に良く似ているが、形態は腰と翼前縁が白く、飛翔中、翼後縁の膨らみや大きな嘴などで見まちがうことはない。夏、アム―ル川流域からカムチャッカ半島一帯の樹冠に営巣し2羽の雛を育てる。
【分布】冬期間主に北海道オホ―ツク沿岸、稀に日本海沿岸や大平洋沿岸の北部で観察される。
【県内の分布、生息状況】いわきの河口や沿岸で観察出来る。郡山市でも観察出来るがその報告は減少している。
【生息に影響を与えている要因】餌となる水産資源の減少等がオオワシの減少につながった。
【主要文献】
山形則男(1996)羅臼のオオワシ.BIRDER 2.