レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -389/451page
絶滅危惧U類 フクロウ科
コノハズク Otus scops japonicus Temminck et Schlegel 【選定根拠】A大部分の生息地で生息条件が悪化
【形態】オオコノハズクよりも少し小さく、フクロウ類の中では最も小さい。上面は褐色で不明瞭な黒色や黄褐色のまだらがある。下面、腹の中央は白く、その他の部分は黄褐色で黒色の縦の斑と褐色の不明瞭な横斑がある。虹彩は黄色。夜間活動し、主として昆虫類を捕食する。「ブッキョウキョウ」と澄んだ金属的なよく通る声で鳴き、声のブッポウソウといわれている。
【分布】ユーラシア大陸の南部、アフリカ、インドなどに広く分布する。日本へは夏鳥として渡来。各地で繁殖している。
【県内の分布、生息状況】かつて市街地の公園の森、神社の林などでも独特の声が聞かれた。1990年前後から減少。主に低山帯の森林に棲み、樹洞に営巣する。生息は局地的ではないが、数は少なくなってきており、近年は数例が報告されているのみである。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採里山の荒廃
【特記事項】低山帯森林および里山の保全が望ましい。
絶滅危惧U類 フクロウ科
アオバズク Ninox scutulata japonica (Temminck et Schlegel) 【選定根拠】A大部分の生息地で生息条件が悪化
【形態】雌雄ほぼ同色で体の上面は黒褐色、下面は白く黒色の太い縦斑がある。キジバト位の大きさ。丸く見える頭で耳羽はない。金色の目が目立つ。尾には横黒帯があって長くタカのように見え、昼間でも飛び回ることがある。翼の下面は白く黒褐色の横斑がある。
【分布】夏鳥としてほぼ全国に飛来し、低山から山地の林にすむが、冬は中国南部、フイリピンなどに渡る。
【県内の分布、生息状況】県内一円に生息する。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採土地造成
【特記事項】市街地の公園や寺社の巨木などでの営巣がみられ、里山や近郊の巨木の残る林の保存と育成が望ましい。