ノスリ |
Buteo buteo japonicus (Temminck et
Schlegel) |
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【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少
【形態】トビより少し小さく、よく似ているが、翼の幅が広く、尾は短くて円尾で下面に細い横帯がある。飛翔中の翼の下面は淡褐色で翼角に黒斑がある。顔に褐色の過眼線と顎線がある。背から上面は淡褐色から暗褐色。体下面は白色からバフ色で、脇や下腹に暗褐色の斑がある。ふ蹠は毛が無く、虹彩は暗色。口笛のように「ピーエー」と鳴く。
【分布】北海道・本州・四国で繁殖するほか、冬鳥として全国に渡来する。ユーラシアに分布し、冬は南に渡るものもある。
【県内の分布、生息状況】全県内に広く分布する。平地から山地の林や草原、農耕地、牧場、河原などでみられ、林の大木に枯れ枝を積み重ねて巣を作り、毎年使用することが多い。冬期は鉄道沿線の電柱などの上にいるのをよく見かける。ある地方ではマグソダカとかヘンシロウと呼ばれている。一部は渡りをする。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採里山開発
【特記事項】営巣場所および採餌場所となる里山の自然環境の保全が望ましい。
サシバ |
Butastur indicus (Gmelin) |
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【選定根拠】b 分布域の一部で生息条件悪化
【形態】ハシボソガラス大のタカ。雄は頭部が灰褐色で後頸からの上面、胸は茶褐色。喉は白く、中央に1本縦斑がある。腹から体下面は白く、太い茶褐色の横斑がある。虹彩は黄色。眉斑は不明瞭。雌は白い眉斑が明瞭で、頬の灰色部は狭い。胸から腹にかけて淡褐色の横斑がある。暗色型は全身黒褐色。「ピックイー」または「キンミー」とよく鳴く。
【分布】本州・四国・九州に夏鳥として渡来、南西諸島では越冬する。秋の渡りのタカ柱は有名。中国東北部などでも繁殖する。
【県内の分布、生息状況】南会津と阿武隈山地北部が生息確認の空白地になっているほかは、全県的に夏鳥として確認されている。低山や山地の林で繁殖している。タカの中ではトビと同じくらいよく鳴くので、鳴き声だけでも確認できる。
【生息に影響を与えている要因】営業地近辺の森林伐採宅地造成里山荒廃
【特記事項】ヘビや両生類・昆虫類・鳥の巣立ち雛やネズミなどを食料にするため、適した採餌場所となる里山の保全が望ましい。