ハイイロチュウヒ |
Circus cyaneus cyaneus (Linnaeus) |
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【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少
【形態】ハシボソガラスと同大か、やや小さい。飛翔時は翼を上へ反らし、V字型になる。腰と上尾筒は白く、翼と尾が長めのタカで、足も他のタカに比べて長く、虹彩は黄色。雄は頭部と背は灰色、下面は白い。飛翔時の外側初列風切6枚が黒い。雌は全身褐色で黒褐色や茶褐色の斑がある。飛翔時、風切の黒い横帯、尾の褐色の斑が目立つ。越冬中はほとんど鳴かないが、繁殖地では、「ピョウピョウ」と鳴いてディスプレーフライトをする。
【分布】冬鳥として全国に渡来するが、少ない。ヨーロッパ、アジア北部、北アメリカで繁殖し、冬期は南方へ渡る。
【県内の分布、生息状況】最近確認の8例についてみると平地から山地の農耕地や草原が多く、それも中通りに集中して確認されている。早朝や夕方には草原やヨシ原などを低く飛びながらネズミ類などを探し、捕食する。
【生息に影響を与えている要因】草地開発湿地開発
【特記事項】自然環境の保全が望ましい。
チュウヒ |
Circus spilonotus spilonotus Kaup |
全国カテゴリー;絶滅危惧U類
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【選定根拠】b 分布域の一部で生息条件悪化
【形態】全長雄約48cm、雌約58cm、ハシブトガラスぐらいの大きさ。羽色には個体差が大きい。体全体が褐色で羽縁の灰白色によってマダラ模様に見えるものの他に、雄の頭頸部から背部一帯に黒味の強い個体がある。翼と尾が長く、飛行時の形はトビに似ているが、尾はトビと違って丸尾である。正面から見ると翼はV字形をなし、ヨシ原をかすめるように低空で飛行するのが特徴的である。
【分布】シベリア南部、中国東北地区、サハリン、日本の中北部で繁殖し、冬は南へ移動する。
【県内の分布、生息状況】冬期に松川浦など開けたヨシ原の多い場所でみられる。ネズミ、カエル、小鳥などを捕食する。
【生息に影響を与えている要因】草地開発湿地開発
【特記事項】海岸湿原の保護・保全が望ましい。