レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -395/451page
準絶滅危惧 ハヤブサ科
チゴハヤブサ Falco subbuteo subbuteo Linnaeus 【選定根拠】個体数が減少している。
【形態】全長約30cm、翼開長69〜76cm。ハヤブサより小さく、ハト大。上面は青灰黒色、頬にヒゲ状の黒斑がある。胸から腹に黒い縦斑があり、腿と下尾筒は橙赤褐色。翼の下面と尾には密に黒い横斑がある。翼が長いため、飛翔時には尾は短く、翼が長くとがって見える。チョウゲンボウは尾が長く、褐色味が強い。早い羽ばたきと短い滑空を交互に繰り返し直線的に飛び、飛びながら大型昆虫や小鳥を捕まえる。
【分布】ユーラシアの寒帯〜温帯で繁殖し、北のものは冬期南へ移動する。日本では北海道、東北北部で繁殖する。
【県内の分布、生息状況】福島県では春と秋の移動の際にみられる。福島市と会津地方に観察記録がある。東北地方では青森、秋田、岩手の3県で繁殖している。本県での記録は20〜30年前のことであり最近の報告はない。
【生息に影響を与えている要因】草地開発宅地造成森林減少
【特記事項】開墾地や農耕地のある森林地帯を好むので、これらの森林の保全が望ましい。
準絶滅危惧 クイナ科
バン Gallinula chloropus indica Blyth 【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少
【形態】体は黒く風切も黒い。脇に白色斑があり、下尾筒の両側も白いがなんといっても嘴と額版の赤色が特徴的である。歩行は巧みであるが、首を前後に振っての泳ぎもなかなかのものである。「クルル」と鳴き、水面を足で蹴って助走して飛び立つ。草陰や水田などにでて餌をとることが多い。オオバンよりは個体数も多く容易に姿を見ることが出来る。オオバンとの相違点は嘴と額版との色が赤と白の違いである
【分布】琉球、本州等日本国内で生息し、冬期は雪のない暖地に移動する。南中国、東南アジア北部にも生息する。
【県内の分布、生息状況】ほぼ県内全域の河川、湖沼、草原の湿地、水田地帯に生息し繁殖するが、ここ20年来減少が目立っている。会津地方や中通りの積雪地帯では冬期暖地に移動している。水田では別として河川、池沼については身を隠す事の出来る水面上までのびる水草類が必要である。
【生息に影響を与えている要因】河川改修池沼開発営巣地への人等の侵入
【特記事項】河川、池沼では水面上までのびる水生植物が必要であり、そうした自然環境の保護保全が望ましい。