アオバト |
Sphenurus sieboldii sieboldii (Temminck) |
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【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少
【形態】キジバト大。成鳥雄は額と喉から胸は黄色ないし緑黄色、頭頂から背は緑灰色。中・小雨覆は赤紫色。腹から体下面は淡黄白色で下尾筒には黒褐色の軸斑がある。成鳥雌は全体として雄より淡色で小雨覆は緑灰色。本州でみられる緑色系のハトは本種のみ。繁殖期に雄は「オーア、オアオーオー」と鳴く。
【分布】繁殖分布は日本列島に限られる。冬は暖地、台湾や中国南部に渡る。西日本の常緑広葉樹林に多い。
【県内の分布、生息状況】主に春の渡りの時期(5〜6月)に中通り、会津地方の低山〜山地帯の落葉広葉樹林や針広混交林で鳴き声で確認されるが、個体数は少なく、ほとんど確認できなくなった地域もみられる。(博士山、沼沢湖、裏磐梯、山都町早稲沢)。夏期に確認される個体はさらに少ない。
トラフズク |
Asio otus otus (Linnaeus) |
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【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少b 分布域の一部で生息条件悪化
【形態】羽角が長く、顔盤の発達した中型のフクロウ類。雌雄ほぼ同色。羽色は変異が多いが、成鳥は頭部から上面は黒褐色、茶褐色、灰白色などの複雑な模様で、胸から体下面はバフ色で褐色の縦斑と短い横斑がある。虹彩はオレンジ色。夕方から活動し主にネズミを餌にする。
【分布】日本では、本州中部から北海道にかけて局所的に繁殖している。冬は雪の少ない地方に移動する。
【県内の分布、生息状況】県内で繁殖の記録はない。冬期に主に中通りで見られるが分布は局所的。農耕地周辺の屋敷林や社寺林のスギやカシなどの常緑樹の茂みの枝に数羽でとまってねぐらにしていることが多い。ねぐら木の下にはネズミの骨や毛が混じったペリットがみられる。
【生息に影響を与えている要因】農薬汚染