レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -405/451page

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希少 シギ科

アカアシシギ
Tringa totanus ussuriensis (Buturlin)
全国カテゴリー;絶滅危惧U類

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少b 生息地が局限
【形態】チドリ目シギ科。全長28cm。くちばしと足が赤い中型のシギの仲間で、冬羽は近縁のツルシギに似る。
【分布】ユーラシア大陸の温帯を中心に広く繁殖し、日本では北海道東部の根室半島などの湿原で繁殖している。
【県内の分布、生息状況】福島県内では相双地区の干潟、海岸近くの水田や湿地に、旅鳥として春・秋に渡来するが、あまり多くはない。
【生息に影響を与えている要因】休耕田管理放棄水田減少
【特記事項】海岸近くの水田地帯は、春・秋に通過する多くのシギ・チドリ類の格好の餌場となっている。永続的な稲作は、渡
り鳥を保護しながら人間の生活を維持することにつながっている。
 
 

希少 シギ科

ホウロクシギ
Numenius madagascriensis (Linnaeus)
全国カテゴリー;絶滅危惧U類

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】大きく下方に湾曲した長い嘴を持つシギ類の中で最も大型。ダイシヤクシギに似るが全体が一段と褐色味が強く、下腹部も淡褐色で白く見えない。雌雄同色。下背、腰、上尾筒は褐色地に黒色の斑がある。翼の下面はダイシヤクシギより暗色に見え黒色横斑がある。
【分布】シベリア東南部で局地的に繁殖し、日本には旅鳥として渡来する。県内の分布、生息状況本県での記録は相馬市松川浦での観察のみである。(1981年8月31日相馬市磯部、1993年10月10日相馬市岩ノ子、1999年9月30日相馬市柏崎日下)
【生息に影響を与えている要因】海岸開発
【特記事項】海岸の広い干潟や干拓地に生息し、カニ類などを餌とするので、広い干潟の保全が望ましい。
 
 

希少 シギ科

セイタカシギ
Himantopus himantopus himantopus (Linnaeus)
全国カテゴリー;絶滅危惧TB類

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】名前のとおり背が高く、ピンクの足は非常に長い。雄の夏羽では頭上から後頸は黒く、体の上面は緑色光沢のある黒で、残りは白い。まっすぐで黒い嘴は長い。雌は背や翼に褐色味があり、頭部は白い。近年までのガイドブックには国内の繁殖例の記載はなく、非常にまれな旅鳥または迷鳥と書かれてある。「ケッ、ピューイッ、ピューイッ」と鳴く。
【分布】東京湾周辺や愛知県で繁殖し、他では旅鳥。ユーラシア中部・アフリカ・インド・東南アジアその他で繁殖。
【県内の分布、生息状況】本県における確認報告は非常に少ない。1980年から85年にかけていわき市海岸で数例、1994年5月、郡山市。1999年4月相馬市。同年6月矢吹町での確認例のみである。
【特記事項】世界各地で繁殖しているが、日本への渡来数は極端に少ない。なぜ東京湾と愛知だけで繁殖するのか、環境の与える影響については不明である。
 
 

希少 キツツキ科

オオアカゲラ
Drndrocopos leucotos stejnegeri (Kuroda)

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】アカゲラより少し大きい。背と中央尾羽は黒く、外側尾羽は白地に黒い縦斑がある。腰は白い。翼は黒色で白色の横斑がある。体の下面は淡黄褐色で脇には黒い縦斑がある。下腹から下尾筒は桃紅色。雄は頭頂から後頭まで赤いが、雌は黒色。アカゲラは背に目立つ逆ハ字型の白斑があり、脇の黒い縦斑はない。「キョッ、キョッ、キョッ・・・」という声はアカゲラより力強いが区別は困難。
【分布】ユーラシア大陸の中緯度地帯に分布。日本では奄美大島から北海道までの山地に留鳥として生息する。
【県内の分布、生息状況】県内では中通り(奥羽山系)や会津地方の山帯から亜高山帯の森林に生息するが、個体数はアカゲラより非常に少ない。原生林や自然木の多い森林にすみ、造林地にはまれ。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採


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福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。