コシアカツバメ |
Hirundo daurica japonica Temminck et
Schlegel |
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【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】ツバメより大きくて尾が長く見える。雌雄同色で色彩はツバメに似ているが、喉の黒帯はなく、頭から背は光沢のある黒色。目の後方から後頸は赤褐色。翼と尾羽は黒く、腰は赤褐色。耳羽には赤味があり、黒褐色の縦斑がある。喉から腹までは淡い橙褐色を帯びた白色で、黒色の細い縦斑がある。胸側と脇腹には橙色味がある。下尾筒は黒い。
【分布】熱帯から温帯に繁殖地を持つ。夏鳥として渡来し、西日本の暖地に多い。近年北海道でも繁殖が確認された。
【県内の分布、生息状況】東白川郡棚倉町では古くから記録があるが、他からの記録は乏しかった。いわき市四倉町では繁殖が毎年観察されている。いわき市の海岸に沿った町並みには、古巣が壊された痕跡が多数見られ、人為的な巣の破壊が行われたことを示している。
【生息に影響を与えている要因】建築物の構造の変化巣の人為的破壊
【特記事項】愛鳥思想を普及させることが望ましい。
マミジロ |
Turdus sibiricus davisoni (Hume) |
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【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】ほぼムクドリ大。雄は全身が黒く、白い眉斑が目立つ。雌は上面がオリーブ褐色で黄白色の眉斑がある。下面は白く、オリーブ褐色の縁取りが斑になって見える。嘴は黒い。さえずりは単調な「キョロン、チリリ」の繰り返しで、早朝と夕方に聞かれることが多い。姿は意外と見つけにくい。
【分布】日本には夏鳥として渡来。本州中部以北の森林で繁殖するが個体数は少ない。東南アジアで越冬する。
【県内の分布、生息状況】中通り(奥羽山系)と会津地方の山地帯から亜高山帯のよく繁った落葉広葉樹林、針広混交林、針葉樹林に生息するが、個体数は少ない。
キバシリ |
Certhia familiaris japonica Hartert |
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【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少
【形態】スズメより小さい。上面は褐色で汚白色の斑がある。眉斑は白色。嘴は細長く下に湾曲している。尾は黄褐色で長い。下面は白い。木の幹に縦にとまり、するすると移動する動作はゴジュウカラに似ているが、背が褐色で細かな模様があり、嘴が下に曲がっているので区別は容易。早春に「チッ、チィーチィー、ツリリリ」と細く小声でさえずる。冬はカラ類と混群を作っていることが多い。
【分布】日本では北海道、本州、四国、九州の低山帯上部から亜高山帯の樹林に留鳥として生息している。
【県内の分布、生息状況】吾妻山系や会津地方の低山上部から亜高山帯に生息するが、個体数は非常に少ない。落葉広葉樹林や針葉樹林などの比較的大きな樹木の多い林を好む。