レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 - 002/122page

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条約」が発効し、わが国においては平成7年(1995)に条約の実施促進を目的として「生物多様性国家戦略」が策定された。平成14年(2002)には、この計画を根本的に見直し「新・生物多様性国家戦略」が策定された。

(福島県の状況)

本県は、「福島県環境基本条例」を平成8年(1996)に施行し、「環境基本計画」を定め県民、事業者などの各主体の参加と連携により環境保全の取組みを続けてきた。そして、平成14年3月はこれを見直し新しい「環境基本計画」を策定して環境との共生、循環、地球環境保全、参加と連携の4つの目標を掲げ、多様な自然環境の保全、生物多様性の確保、自然との豊かなふれあいの推進などの施策の展開を宣言している。また、平成10年(1998)に制定した「福島県環境影響評価条例」では、人間活動が生態系などの環境へ及ぼす影響をあらかじめ評価し、環境保全対策に反映させる取組みを実践し、希少野生生物などの生息環境を精査し、種の存続への重大な影響を未然防止するための施策を展開している。

豊かな自然の中で多様な生物が生息する本県においては、これまでも野生生物保護の取組みを行ってはきたが、それは鳥獣保護行政に関する分野や自然公園等が中心であり、野生生物保護対策については民間のグループや研究者などの取組みに頼るところが大きかった。しかし、自然や野生生物に対する人間活動の影響が広い範囲に及んでいる現状を踏まえ、県内の野生生物保護についての関心と必要性が急速に高まってきた。

「環境の世紀」と言われる21世紀を迎え、本県の希少な野生生物の実態を明らかにし、然るべき保護対策を進めるための取組みは、緊急かつ重要な施策として位置づけられるに至り、こうした背景により、平成10年(1998)から「ふくしまレッドデータブック策定事業」に着手した。この事業により、県内に生息する希少な野生生物等の生息・生育状況を把握するとともに、絶滅の危険度などについての評価を行い、平成13年(2001)に「ふくしまレッドリスト(植物、昆虫類、鳥類)」を公表し、平成14年(2002)には植物、昆虫類、鳥類を対象とした「レッドデータブックふくしまT」を刊行した。

引き続き、残る淡水魚類、両生・爬虫類、哺乳類についての調査結果をとりまとめ、平成15年(2003)に「ふくしまレッドリスト(淡水魚類、両生・爬虫類、哺乳類)」を公表するとともにこれらを対象とした「レッドデータブックふくしまU(淡水魚類、両生・爬虫類、哺乳類)」を発刊する運びとなった。また、「レッドデータブックふくしま」の完成に併せ、平成14年度より「福島県希少野生生物保護対策研究会」を設置し、県内に生息・生育する希少野生生物についての保護対策を検討してきたところであり、この成果をもとに平成15年度には、条例制定を含む具体的な保護対策に着手することとしている。


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