レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 - 018/122page

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絶滅危惧T類 コイ目 コイ科

ウケクチウグイ
Tribolodon nakamurai Doi et Shinzawa
全国カテゴリー;絶滅危惧TB類

【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少B全ての個体群で再生産能力を上回る捕獲圧に直面Cほとんどの分布域で交雑のおそれのある別種が侵入
【形態】全長40cmで50cm以上に成長する個体も多い。下顎は上顎前端より前方に突き出して受け口状になり上下の唇の先端は黒色を帯びる。頭部は他のウグイに比べて長く、眼球も頭頂近くに位置する。婚姻色は薄く、2条の縦列黒色が目立つ。
【分布】日本固有種で日本海に注ぐ大河川に局地的に分布する。秋田県の子吉川水系、山形県の最上川水系、新潟県の阿賀野川と信濃川水系および福島県阿賀川水系に分布する。
【県内の分布、生息状況】阿賀川及び支流の只見川。本流では会津若松市小谷ダムから下流のウグイ産卵場に親魚が集まり、投網で混獲される。只見川では伊南川との合流点付近で釣獲されている。産卵期や産卵場所、稚仔魚の生育場所や餌などの詳細は解明されていない。
【生息に影響を与えている要因】生息地局限
【特記事項】生息生態が未解明で研究が急がれる。本種の命名(和名)には、只見川で採集された標本が使用された。
【生息データ件数】3
【主要文献】
酒井治己・河野博・多紀保彦(1998)日本の希少な野生水生生物に関するデータブック(水産庁編),140 pp.
新潟県(2001)レッドデータブックにいがた,p 91.
環境庁編(1982)日本の重要な淡水魚類(東北版),p 1.
ウケクチウグイ

 

 

絶滅危惧T類 コイ目 コイ科

シナイモツゴ
Pseudora pumila pumila Miyadi
全国カテゴリー;絶滅危惧TB類

【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少B全ての個体群で再生産能力を上回る捕獲圧に直面Cほとんどの分布域で交雑のおそれのある別種が侵入
【形態】全長8cm。類似種のモツゴとの区別は難しい。口は、モツゴより受け口でやや大きい。鱗は、モツゴより金属光沢が少なく茶褐色に見える。側線は、モツゴが鰓蓋後方から尾部後端に至るのに対して、シナイモツゴでは、鰓蓋後端から鱗5枚ほどまでである。
【分布】かつて関東地方から東北地方にかけて分布していたが、関東地方では絶滅した。
【県内の分布、生息状況】2002年現在、1地点でのみ確認した。産卵は4〜7月、朽木などに卵を産み付ける。
【生息に影響を与えている要因】河川開発池沼開発水質汚濁移入生物との競合(モツゴ) 帰化生物による捕食(オオクチバス、ブルーギル)
【特記事項】本種の減少は、コイやフナなどの放流に混じって分布を拡大したモツゴの影響が極めて大きい。今後自然環境内における無分別な淡水魚の移植放流はひかえるべきである。また、今後の調査により新生息地の発見が望まれる。
【生息データ件数】1


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福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。