レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 -053/122page
希少 コウモリ目 ヒナコウモリ科
テングコウモリ Murina leucogaster Milne.Edwards
全国カテゴリー;絶滅危惧U類【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少b 生息地が局限
【形態】前腕長41〜46mm、頭胴長59〜73mm、尾長36〜47mm、体重9〜15g、灰褐色の体毛で刺し毛の先端が銀色の金属光沢、腿間膜の上面全部が長い毛で覆われ、鼻孔が管状で外側やや前方に突出する。
【分布】インド北東部、中国、シベリア東部、日本に分布。日本では、北海道、本州、四国、九州から報告されている。日本産を別種ニホンテングコウモリ(M.hilgendorfi ) とする見解もある。
【県内の分布、生息状況】県内では1970年代より、福島市、いわき市、原町市、鹿島町の洞穴から確認されているが、詳しい分布状況は不明である。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採(ねぐらとなる大径木の消失、採餌環境の悪化)餌となる昆虫の減少生息地局限洞穴内の撹乱
【特記事項】本来は樹洞を昼間のねぐらとしていると思われるが、洞穴から単独で確認されることもある。樹洞のある自然林の消失により、生息環境の悪化が懸念される。
【生息データ件数】5
【主要文献】
木村吉幸(2001)福島県の翼手類U.Animate,(2):19-21.
木村吉幸他(2002b)福島県に生息するコウモリ類.哺乳類科学,42(1).
前田喜四雄(1994a)コウモリ目.(阿部永監修:日本の哺乳類).
前田喜四雄(2002i)ニホンテングコウモリ.(改訂版レッドデータブック).
高橋紀信(1984)立石鍾乳洞群.鹿島町の文化財,4.
希少 コウモリ目 ヒナコウモリ科
コテングコウモリ Murina ussuriensis Ognev
全国カテゴリー;絶滅危惧U類【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少b 生息地が局限
【形態】前腕長29〜33mm、頭胴長41〜54mm、尾長26〜33mm、体重3.5〜6.5g、黄土色から薄茶色系の体毛で、腿間膜の上面全部が長い毛で覆われ、鼻孔が管状で外側やや前方に突出する。同属のテングコウモリとは身体の大きさが小さいこと、体毛が違うことから区別できる。
【分布】シベリア東部・北東部、サハリン、千島列島、朝鮮半島、日本に分布。日本では北海道、本州、四国、九州、対馬、壱岐から報告されている。日本産を別種ニホンコテングコウモリ(M.silvatica ) とする見解もある。
【県内の分布、生息状況】県内では、尾瀬(1973年、2000年)と只見町(1997年、1998年、2002年)で確認されているが、詳しい分布状況は不明である。1973年に尾瀬沼畔の標高1680mで捕獲された個体がタイプ標本である。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採(ねぐらとなる大径木の消失、採餌環境の悪化) 餌となる昆虫の減少生息地局限
【特記事項】本来は樹洞を昼間のねぐらとしていると思われるが、県外では木の茂み、樹皮の間隙、洞穴や家屋での確認例がある。樹洞のある自然林の消失により、生息環境の悪化が懸念される。
【生息データ件数】6
【主要文献】
木村吉幸(2001)福島県の翼手類U.Animate,(2):19-21.
木村吉幸他(2002b)福島県に生息するコウモリ類.哺乳類科学,42(1).
前田喜四雄(1994a)コウモリ目.(阿部永監修:日本の哺乳類).
前田喜四雄(2002j)ニホンコテングコウモリ.(改訂版レッドデータブック).
佐藤洋司(2001)哺乳類.(只見町史資料集4「会津只見の自然」).
吉行瑞子(1974)尾瀬の翼手類.尾瀬の保護と復元,X:34-37.
吉行瑞子(1980)尾瀬の森林棲翼手類について.哺乳動物学雑誌,8(2・3).
Yoshiyuki M.(1983)A New Species of Murina from Japan.
Yoshiyuki M.(1989)A Systematic Study of the Japanese Chiroptera.