レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 -054/122page

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希少 ネコ目 イタチ科

オコジョ
Mustela erminea Linnaeus
全国カテゴリー;準絶滅危惧

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少b 生息地が局限
【形態】雄の頭胴長18.2〜19.8cm、体重202g、雌の頭胴長14〜17cm、体重161gと性的二型がみられる。夏毛は濃い褐色で腹側が白色、冬毛が全身白色となる。尾の先端部は黒いことでイイズナと区別される。
【分布】ユーラシア北部と北アメリカに分布する。国内では北海道と本州中部の北・中央アルプス以北の山岳地帯に生息する。北海道産をエゾオコジョ(M.e.orientalis )、本州産をホンドオコジョ(M.e.nippon ) と亜種で区別する。
【県内の分布、生息状況】吾妻連峰、尾瀬燧ヶ岳、飯豊連峰で生息が確認されている。その他、阿武隈山地の日山にも生息情報がある。山頂付近の岩場などで確認されることが多い。
【生息に影響を与えている要因】生息地局限
【特記事項】茨城県の八溝山系で生息が確認されており、日山を含む阿武隈山地での調査が望まれる。
【生息データ件数】9
【主要文献】
福島県森林保全課(1991)福島県獣類生息状況調査報告書.福島県.66 pp.
蜂谷剛(1965)動物.福島県史25自然・建設編.pp. 469-528.
蜂谷剛(1994)福島県博物誌.福島県印刷センター,福島市.169 pp.
茨城県(2000)茨城における絶滅のおそれのある野生生物(動物編),
石井信夫(2002c)ホンドオコジョ.(環境省編:改訂版レッドデータブック).
樫村利道・木村吉幸(1979)飯豊山の植物及び動物.
米田政明(1994a)ネコ目.(阿部永監修:日本の哺乳類).

オコジョ


希少 ネズミ目 ネズミ科

スミスネズミ
Eothenomys smithii (Thomas)

【選定根拠】a どの生息地においても低密度で希少b 生息地が局限
【形態】頭胴長70〜115mm、尾長30〜50mm、後足長15.5〜18mm、体重20〜35gである。背面の毛の色は赤褐色から黄褐色で、腹面は淡黄色から橙色である。ヤチネズミとは後足長と尾長の大きさで識別できる。
【分布】本州の新潟、福島県以南、四国、九州、隠岐島に分布する日本固有種である。本種を本州中部以南のスミスネズミ(E.s.smithii )、隠岐のオキスミスネズミ(E.s.okiensis)、本州中部以北(福島県を含む)のカゲネズミ(E.s.kageus ) の3亜種に分けることもある。中部地方以北のものを別種カゲネズミ(E.kageus ) とする見解もある。
【県内の分布、生息状況】安達太良山系の安達郡大玉村が、現在の太平洋側における生息地の北限である。しかし、安達太良山系でも1994年以降捕獲報告はなく,阿武隈山地からはスミスネズミの生息報告がない。
【生息に影響を与えている要因】森林伐採生息環境改変生息地局限
【特記事項】スミスネズミは、平地の草地や耕作地周辺に生息するハタネズミと、山地帯から亜高山帯に生息するヤチネズミに挟まれるような形で生息していると考えられる。
【生息データ件数】8
【主要文献】
蜂谷剛他(1974)尾瀬の動物V.尾瀬の保護と復元,X:24-33.
蜂谷剛他(1978)尾瀬の動物Z.尾瀬の保護と復元,\:33-48.
今泉吉晴他(1964)尾瀬沼畔長蔵小屋附近の小哺乳類(資料).動物学雑誌.
金子之史(1992a)ニホンの哺乳類17スミスネズミ.哺乳類科学,32(1)
金子之史(1992b)日本にすむネズミたち.週刊朝日百科動物たちの地球.
金子之史(1994)ネズミ目ネズミ科.(阿部永監修:日本の哺乳類).
木村吉幸他(1992)福島盆地周辺の小哺乳類の群集傾度について.
木村吉幸他(1994)安達太良山系の小哺乳類−特にビロードネズミ属について−.
木村吉幸他(1999)尾瀬地域のEothenomys(ビロードネズミ属)の同定と分布.
佐藤洋司(2001)哺乳類.(只見町史資料集4「会津只見の自然」).

スミスネズミ


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