レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 -058/122page
未評価 モグラ目 トガリネズミ科
カワネズミ Chimarrogale himalayica (Gray)
【選定根拠】生息地が限定されていて生息情報が少なく、生息状況について判断できない。
【形態】頭胴長103〜133mm、尾長94〜105mm、後足長103〜133mm、体重24〜56gである。水中を泳ぐので、手足の指の両側には広げると水かきの役目をする剛毛が生えている。
【分布】本州、四国、九州や国外では台湾、中国からインドシナ半島、ヒマラヤ、マレー半島、スマトラ、ボルネオ北部に分布している。日本産を別種ニホンカワネズミ(C.platycephala ) とする見解もある。
【県内の分布、生息状況】山間の渓流付近に生息し、日中にも活動するので渓流釣りの際に見かけることもある。会津地域のサンショウウオ採集用ワナに入ることも知られている。1994年に安達郡大玉村、2002年に檜枝岐村尾瀬、2002年に二本松市奥岳で確認されているが、中通り地域・浜通り地域での生息地に関しては情報が極めて少ない。
【生息データ件数】5
【主要文献】
蜂谷剛他(1974)尾瀬の動物V.尾瀬の保護と復元,X:24-33.
今泉吉晴他(1964)尾瀬沼畔長蔵小屋附近の小哺乳類(資料).動物学雑誌,73.
佐藤洋司(2001)哺乳類.(只見町史資料集4「会津只見の自然」).
未評価 モグラ目 モグラ科
ミズラモグラ Euroscapter mizura (Gu¨nther)
全国カテゴリー;準絶滅危惧【選定根拠】生息地が限定されていて生息情報が少なく、生息状況について判断できない。
【形態】頭胴長80〜106.5mm、尾長20〜26mm、後足長13.5〜15.4mm、体重26〜35.5gでヒミズよりは大きなモグラで、耳介がなく、尾は比較的長く後足のほぼ1.5倍である。吻の上面の裸出部は三角形で、長方形をしている大型のアズマモグラと区別される。
【分布】青森県から広島県までの本州にだけ分布する日本固有種のモグラである。本州中部以北の太平洋側(福島県を含む)に生息するフジミズラモグラ(E.m.mizura )、本州中部以北の日本海側に生息するシナノミズラモグラ(E.m.ohtai )、広島県比和町付近に生息するヒワミズラモグラ(E.m.hiwaensis ) の3亜種に分ける見解もある。
【県内の分布、生息状況】ミズラモグラなどのモグラ類は専用のトラップを使用しないと捕獲が難しく、今までの捕獲情報も極めて少なく、尾瀬(1962〜1963年,1973年)、吾妻山(1995年)、安達太良山(2002年)での捕獲が数例あるだけである。国立科学博物館には檜枝岐村尾瀬産(1962年)のミズラモグラの標本がある。
【生息データ件数】2
【主要文献】
阿部永(2002)フジミズラモグラ.(環境省編:改訂版レッドデータブック).
今泉吉晴他(1964)尾瀬沼畔長蔵小屋附近の小哺乳類(資料).動物学雑誌,73.
菅野俊幸・木村吉幸(1996)吾妻山地域における小哺乳類相の変遷について.
未評価 コウモリ目 ヒナコウモリ科
クビワコウモリ E.ptesicus japonensis Imaizumi
全国カテゴリー;絶滅危惧TB類【選定根拠】尾瀬で1個体が捕獲されているだけで、生息状況について判断できない。
【形態】前腕長38〜43mm、頭胴長55〜65mm、尾長35〜43mm、体重8〜13g、体毛は黒褐色系で上毛(粗毛)の先端は薄い褐色から白色であるが、金属光沢を持つ個体もいる。
【分布】日本固有種で、北アルプス・富士山麓と秩父山系などから10数個体の捕獲記録しかないが、最近、乗鞍高原で繁殖集団が見つかっている。
【県内の分布、生息状況】県内では2000年に尾瀬で1個体のみ確認されており、県内の分布の現況は不明である。
【生息データ件数】3
【主要文献】
木村吉幸他(2002b)福島県に生息するコウモリ類.哺乳類科学,42(1).
前田喜四雄(2002b)クビワコウモリ.(環境省編:改訂版レッドデータブック).