理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-004/82page
布されます。そして.雨がふれば,どの種子も同じように芽を出すことができます。
しかし,よく踏まれる道路の中央部では,オオアレチノギクやヒメジョオンなどの路傍植物は,踏まれると大きくなれず死んでしまいます。そして,踏まれても二有するオオバコやニワホコリなどだけが残り,路上植物群落(オオバコ群落)を形成するのです。
道路や校庭左どで,たえず踏まれるということは,植物にとっては,きわめてきびしい二育条件で,植物の地上部は機械的な障害をうけ,土壌は固まってしまいます。固まれば空気の供給も悪くなって,植物の二育が困難になってきます。
だから,単に茎や葉が踏みつけに強いばかりだけで左く,種子が酸素のないところでも発芽でき左ければなりません。したがってオオバコ群落を構成している種類はきわめて少なく,せいぜい5〜10種くらいです。(図一4)
つぎに,踏まれかたの程度で,雑草はどのように変わるのか,それぞれの植物についても調べてみましょう。
踏みつけると雑草は茎のどこから折れるのか,1度で生育が不可能になるのか何回ぐらいでそうなるのかまた,葉のいたみかたはどう左のかを調べます。
さらに,踏まれた後の回復のようすはどうかといったようなことにも注意して野外観察を続けましょう。
図一5を例にとると,道路の中央では,茎の倒れが大きく,高さも低くなります。
道路の両端になるにしたがりて,倒れが少なく,高さも高くなっていきます。
観察したことは,その場で必ずメモしたり,スケッチしたりするようにしましょう。
図-4 路上雑草の植生模式図
図-5 オヒシバ(右が道路の中央)