理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-007/82page

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4 砂浜にどんな植物が生えているだろうか

海岸は,植物が二有するには,大変きびしい環境であるといえます。
それは,ほかの平地にくらべて紫外線が強いし,それに加えて,たえず塩分にさらされているからです。
このため海岸の植物は,一般に上に述べたような環境に適した形態をもっています。
たとえば地下部は,砂の中や岩のすきまに広く深く根ざしています。
また地上部は,コウボウムギ…ケカモノハシ友どのようにきわめてかたくなったものがあります。
砂浜に出ると,波うちきわから内陸にむかって帯状に,立地条件の変化にしたがい規則正しい配列がみられます。
図一9はいわき市の新舞子浜を例とした,砂浜の植生の配列を模式化したものです。
この図によって,砂浜植物の生えているようすを調べてみよう。
まず,波うちきわにいちばん近い,ゆるい傾斜に砂だけの場所がみられます。
その後方で高くもりあがった小砂丘には,風によってたえず砂が移動するので,他の植物にさきがけて二育するコウボウムギ群落がみられます。
ついでハマニガナ…ハマボウフウ左どが二有しています。
コウボウムギなどの植物がしげって.砂の移動が少なくなると,ハマエンドウオニシパ・ケカモノハシなどが生育してきます。
砂の移動がなく,立地が安定している後方の砂丘では,ハマゴウ・テリハノイバラのような低木林がしげってきます。
この砂浜の低木林の後方には,クロマツ林が海岸線に平行に帯のように生育しています。
このクロマツ林までが,砂浜の植生域になります。

図-9 砂浜植物の植生配列模式図
図-9 砂浜植物の植生配列模式図

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