理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-012/82page
県日光が比較的さしこむアオモリトドマツ林では,チシマザサが密生し,ダケカンバ,ミヤマカンスゲ,シラタマノキ,クロマメノキ,ムシカリなどが多くみられます。
ところが,日光があまりさしこまない林内には,チシマザサが少なく,ヤマソテツ,ハイイヌツゲが多い。またコメツガが多くみられ,クロベウラジロヨウラク,アズマシャクナゲなどが特徴的でそのほかに,ゴゼンタチバナ,ギンリ目ウソウ,バイカオウレンなどがみられます。
このように,アオモリトドマツ林内では,常緑針葉樹林のため,1年中さしこむ光の量が少なく,気温も低いため,下に生える植物が制限されて種類も少なくなりています。
これに対して,ブナ林内では,落葉広葉樹林のため,針葉樹にくらべて葉は大きいが,葉の間からさしこむ光の量は多く,落葉するため冬期間は林の中は明るく左ります。そのため,下に生える植物の種類も多くみられます。
森林の下に生える植物(下草)を調べるには,森林の内と外,明るい森林と暗い森林というように,環境条件のちがいをはっきりさせて一定の方形わくを使って,被度`頻度・高さなどを求め,層別の優占度(=被度)から,それぞれの代表種を選び比較するようにする。この方法は,季節のうつりかわり19)ページ参照
A密生するチシマザサ(吾妻山鳥子平)
Bヤマソテツ
図-15アオモリトドマツ林の林床植物