理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-015/82page

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8植物によって環境はどのように変化するだろうか

植物の生活は前述のとおり環境条件に強く支配されています。い。ぼう植物が生育することによって,環境もいろいろと変化しているのです。
裸地に草が生いしげったり,森林が形成されたりすると,草原内や林内の地表は光や風がさえぎられて気温も局地的に変化します・
森林内に入る光についてみると,森林の樹冠を照らす太陽光は,まず
高木層の樹木の葉で反射されたり,葉に吸収されたりします。
葉の光の吸収率は9。%にも達し,透過する光量は1吻以内であるといわれていますn
また,葉に反射される光量も15〜30%で,これも他の葉に吸収されてしまいます。したがって,葉が何層も茂。ている林内の光量は,葉の間の透過光を含めてもほんのわずかに
なり,ある測定した値によると,いわれています。図-19
林内の中層部で34%,
下層部では4%になると
温度については,夏にいちじるしく差があφ,林外の株地では温度の変化がはげしいのにくらべて,森林内では温度の変化はゆるやかになっています(図一2。)
それは森林内では樹木の葉が日光や雨などをさえぎるうえに,葉の蒸散作用や呼吸熱によ。て温度変化がかん和されるために,森林内の温度変化はゆるやかに在ります。
さらに,森林での風速の変化をみると,図一21のように,過密な林では,林外で風速1伽でありたものが風速2mぐらいに減少するので,林の風下側では,気温の上昇・空中湿度の増加・地温の上昇・地面からの水分蒸発の減少など,環境をよくする効果が大きい。そのため樹木は君から防風林として,屋敷のまわりや耕地のまわり,海岸などに植林されています。

図-19林の内外での光量の変化
図-19林の内外での光量の変化

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