理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-019/82page

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10季節変化によって植物群落はどのように移り変わるだろうか

野外観察では,植物の名前を知ることから一歩進めて生態(生活のしかた)に目をむけたいと思います。では,私たちの身近かにある校庭や空地などでの雑草群落の観察(調べかた)を中心にして,季節による群落の変化を確めてみよう。
一般に植物群落を観察するには,つぎのような手順で調べます。
1.調査区内にあらわれる植物の名前を調べる。
植物の名前を調べるのに図鑑を使いますが,慣れないと大変です。まず調べたい植物が何に似ているか記憶をたどって,キクに似ていれば,キク科のところを図鑑でみれば,調べる範囲が少しですむわけです。
現地で名前がわからない植物は採集し,符号をつけてもち帰り,後日,自分で調べるなり,専門家に依頼するとよい。
植物名がわかれば,性質(高木・低木・草本・1年生・2年生・多年生など)を調べておくとよいでしょう。
2,生育している植物の量を調べる
1)方形わく法(カドラート),一定面積内をくぎって,そこに生えている植物を調べるのに便利で,わくの数はloか所以上,一定間隔におくか.無作意におく。森林のときは10×10m,草原では1×1m,コケ植物では20×20pの「わく」が使われています。
2)個体数(株数〕一定調査面積にある植物が何本生えているかを調べる。個体数が多いほどその群落の優占を示すようになります。
3)被度調査区内でそれぞれの植物がどのくらいの面積をおお。ているかを示すのに使いますo
被度のあらわしかたは,いろいろあるが,スエーデン学派の方法では,植物が地面をおおう割合を,5・4・3・2・1・+の段階であらわしています。(図-23)森林の場合は階層別に被度を測定する( 9)ページ図-12参照)
○平均被度=(被度の合計)÷(調査わく数)
4)頻度各植物の間の群落内におけるひろまりを示すものです。
○頻度(%)=(ある植物が出現したわく数)÷(調査したわく数)×100
5)高さ植物の草の高さを調べ平均の高さを求める。


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