理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-025/82page

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12溶岩地帯から森林ができるまでにはどのような道すじをたどるだろうか

火山の噴火によって,それまでの植物群落がすっかりなく在り,溶岩の裸地ができます。
この荒れたところは,土壌は少なく,溶岩ばかりで,すぐに木が生えるということはありません。
まず岩石の割れ目など水がたまるところに,コケや地衣類の胞子が落ちて発芽するようになります。
しだいにコケ類や地衣類が二青しはじめます・これらが枯れてくさっていくうちに腐植質を含んだ土壌ができ,水分や養分が保たれるようになります。
それとともに1年二草本の種子が風などによって運ばれ,特に日なたでやせた土壌でも強く二育する種類(キク科植物など)が生えて草原がだんだんとしげっていきます。
ここまでの経過は,図一2のかわら屋根に草が生えることからも考えられると思、います。
つぎに,ヨモギやススキ左どのような多年二
草本が侵入してきます。多年二の植物がしけ。てくると,さきに生えた1年二草本は,じゅうぶん成長できなく在り,草原はススキ左どの多年二の植物に占められていきます。
よくしげった多年二の植物は,根を地中にはり.土をやわらかくするとともに秋に落葉した枯れ葉が,土壌のかわきを防ぎ,植物の肥料となって,土壌はだんだんよくなります。
そうすると,鳥などによって運ばれた木の種子も発芽し二育していきます。最初に侵入する木は,イバラの類やタラノキ・ヌルデなどで,日なたでよく成長する種類です。

図-28 裸林から森林への移り変わり
図-28 裸林から森林への移り変わり

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