理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-033/82page

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16緯度の変化で植物相はどのように区分することができるだろうか

雨に恵まれたわが国では,おもに気温のちがいによって,いろいろ左森林が帯状に分布しています・このありさまをみてみましよう。
南から北へ緯度がちがってくると気温がちが。てきます。そして植物の分布のようすが変ってきます。これを水平分布といいます・
わが国の水平分布は,図一36のように4つの帯に分けられます・
琉球本島から南の方は亜熱帯で代表的な植物はソテツ・ヘゴ・リュウビンタイなどです。
九州や四国,さらに本州の西南部の暖かい地方には,安定した自然林(極相)として常緑広葉樹が分布しています。おもにシイ・カシ・タブなどで代表され,それぞれ別の林をつくったり,まじりあった林をつく一つたりしています。このほかクス…ツバキ左どが多く,これらの植物は,葉の表面がてらてらと光るので,照葉樹とも呼ばれています。この暖帯広葉樹林の分布する範囲は年平均気温がおおよそ13〜21℃の地域です。
本州の東北部から北海道の西南部までの年平均気温6〜13℃の温帯では;ブナやミズナラから左る落葉広葉樹林がその代表的な森林です。このほ力、トチ・カツラ・イタヤカエデ左ど多くの落葉樹が分布しています。これらの落葉樹林は,冬に落葉し,夏に緑になるので,夏緑樹林と呼ばれることもあります。
また暖帯から温帯にかけては・モミ・ツガ・スギ・ヒノキ・ヒバなどの針葉樹が自然林として分布していることが多い。
北海道の東北部の年平均気温が6℃以下になると,エゾマツ.トドマツ左どの常緑劃葉樹が代表的な極相となわます。この亜寒帯には,カンバやナナカマド

図-36 日本の自然林植生分布図(本多1927より)
図-36 日本の自然林植生分布図(本多1927より)

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