理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-034/82page

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などの落葉樹も分布しています。
福島県は,植物の水平分布からみるとちょうど暖帯と温帯の境界にあたります。
すなわち,浜通り低地は陵帯にあたりその他の低地や低い山地は温帯κあたります。
植物分布には気温のほかに季節風も重要な役割をはたしています。県内では,
奥羽中央分水山地を通るこの境界線によって,日本海側はブナ・チシマザサ群落太平洋側ではブナ・スズタケ群落となって森林型の分布にも影響しています。
前述のように,暖帯と温帯の境に位置するので,暖帯の植物で県内に分布の北限を示すものも多く見られます。そのおもな植物をあげてみると,スダジイで,浜通り低地の南部では自然林となっています。このほか、ウラジロ・アラカシ・ツワブキ・イブキシダなど,そのほかにもかなりの種類になるようです。
分布の南限を示す植物は少なく,イブキシダが安達太良山,またヒナザクラは吾妻山に南限があるといわれています。
図-37 ツワブキ
図-37 ツワブキ

図-38 暖帯林のスダジイ林(いわき市沼ノ内)
図-38 暖帯林のスダジイ林(いわき市沼ノ内)


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