理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-078/82page

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A年平均気温分布図

B年平均降水量分布図

C年間最深積雪分布図
図-107 福島県の気候統計
1941〜1970
(福島県の気候より)

2気温の分布

気温の分布を決める最大の要因は海抜高度のちがいです。これに地形や海洋の影響が加わってきます。福島県の気温分布も例外ではなく,図-107ーAに示すように,年平均の気温分布はほぼ海抜高度に支配されています。季節的に見ると,冬季は,浜通り海岸地方が海洋の影響で気温が最も高くなり,中通り平野部,会津平野部,山間部の順で気温が低くなっていきます。一方,夏季は,盆地地形の中通り平野部が最も気温が高く,浜通り海岸地方は,海洋の影響であまり気温が上昇しません。

3降水量の分布

年降水量が2,000o以上の地域を多降水量地域,と500o以下を少降水量地域と呼んでいますが,福島県の場合は,会津地方の山沿いが前者に,その他の地方は後者に属します。図-107-Bで見る通り降水量の多いところが山間部になっていることがわかります。また。年変化の型からみると会津地方はいわゆる日本海型,その他の地方は,おおよそ太平洋型ということができます。
年降水量を暖半期(4月、9月)と寒半期(10月、3月)に分けてみると,暖半期には県内各地ともそれほど大きな差はありませんが,寒半期にはかなりはっきりした差があらわれ,寒半期降水量の等値線は,南北を走る山脈とほぼ平行にたってきます。このことは図-107-Cに示した年間最深積雪分布からもわかる通り日本海型の気降の影響なのです。
このような地形や気候が,動植物はもちろんのこと,人間の生活や文化にも大きな影響をあたえているのです。


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