中学校技術・家庭科学習指導資料-015/50page

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きさは大きいが,変化はほとんどない,そのため電荷があまり変化しないので,回路内の電荷の移動,したがって電流が生じないのである。大体このように考えれば,なぜ,電流波形が電圧波形より90°ずれて流れるかわかるであろう。
3)教具の説明方法
コイルリングに90°ずつずらして配置したコイルA−A'を主磁極とし,B−B'を補助磁極とする。A−A'の主巻線には,電球60Wを通して交流を加え,B−B'の補助巻線には,安定器やコンデンサを通して加える。安定器やコンデンサは,前述したように,電流の波形は電圧の波形より90°おくれたり,進んだりするので,A−A’の主巻線に加わる電流と比べ,B−B'の補助巻線には安定器の場合にはおくれた電流,コンデンサの場合には進んだ電流が流れることになる。つまり,二相交流ができることになるので,これを使って回転磁界をつくるわけである。
ア 安定器使用の場合
グラフ−3

いま,回転子を時計回りの方向に回転するため,B-B'のコイルを配線図−3の実線で示したように,ミノムシクリップを結線すると,グラフ−3で示したように,A-A'の主巻線には電流IA,B-B'の補助巻線には電流IBが流れることになる。
aの時期には,A−A'の電流IAはO,B-B'の電流IBは負の最大電流が流れていることになる。そのため,Bコイルの鉄心の内側の端はS極,B'コイルの端はN極となる。つまりB'はN極→BはS極という磁界がつくられる。わずかにすぎたbの時期には,A’のコイルには正,B−B'のコイルには負の電流が流れるから,Aコイルの内側の鉄心はN極,A'コイルにはS極,つまりAはN極→A'はS極という磁界がつくられる。この両者の磁界が合成されて,例えばB−B'の磁界を下から上へ向いていると仮定し,A−A'の磁界は左から右へ向くとするならば,これらが合成されて右斜め上に向いた磁界が発生していると考えることができる。
さらに時間が経過し,Cの時期になるとIBは0,IAは最大となるため,磁界はA(N極)→A'(S極)の右向きだけになり,磁界は時計回りに1/4(90°)だけ回転したことになる。IAが1(H2)で回転磁界も一回りしたことになる。これらのことを表にまとめてみると次のようになる。

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