3.指導上の留意事項
(1)要素的な知識の徹底的な理解をはかることが大切である。
1)貴族の世の中における奈良時代と平安時代の年代順を明確に指導することが必要である。奈良,平安の混同をさける指導も必要である。
2)国民の三大義務として,法律を守ることを指摘したものが多い。常識的な理解にとどまらない指導が必要である。
3)文化についての要素的な知識理解が不十分である。文化遺産・人物に関する指導の研究が必要である。
(2)総合的な理解を一層向上させるようにつとめなければならない。
1)要素的な知識を総合的にとらえることができるように指導する必要がある。それには,日常生活に現われる社会事象と要素的な知識との関係を明確にとらえて指導することが考えられる。
2)できるだけ広い視野(時間的,空間的)から社会事象をとらえるように指導する必要がある。事象の歴史的なつながり(因果・推移等)を十分におさえた指導や国際的な立場をふまえた指導ができるように教材研究をすすめるべきである。
(3)観察力,思考力,資料活用能力の育成に工夫する必要がある。 |
1)グラフ等の読みとりが不正確であり,常識で判断している傾向にある。したがって指導にあたっては,読みとり等にあてる時間を十分にとり,全員に身につけさせるよう徹底的な指導をすべきである。
2)歴史地図を大いに活用すべきであり,地理的な見方,考え方も育てる指導が欲しい。
3)社会事象のもつ意味を論理的に追求していく力を育てるよう努力すべきである。
4)文化遺産と人物との関連やその時代的な特色などとの関連を思考させる指導をすべきである。
5)年表から歴史的事象を読みとる能力を育てる指導の工夫が必要である。
6)緯度,経度の指導等読図指導の強化をはかる必要がある。
(4)社会の成員としての実践的態度まで高める指導の工夫が欲しい。
1)日常生活と密着させた指導が有効と思われる。
2)時事的なことがらにも目をひらかせ,建設的に考え,実践していく態度を育てるように指導する。
3)たてまえだけに甘んじることなく,きびしく追求し,事象の本質をつかませる指導が必要である。 |