小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告1977-020/42page

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(4)(2)の4について
 計算順序が理解されていないための誤答が多い。基本的な問題についてはくりかえし計算をさせ計算技能の習熟をはかることが大切であろう。
〈量と測定〉
(1)(4)の1について
 正答率が33%ときわめて低く,1m2=100cm2や6.3m3=6300klという誤答が目立つ。単位の換算を単なるバラバラな知識として指導するのではなく,面積や体積の単位は,基本単位である長さをもとにして生まれてきたものであることをもとに,補助単位の相互関係,長さと面積,長さと体積の関係を身近かな例をとって指導することは効果的であろう。
(2)(4)の2について
 重さの単位と単位体積の水の重さとの関係の理解が不十分なための誤答と思われる。正答率は26%ときわめて低い。
 単位体積の水の重さと重さの単位の指導では.実験・実測を通して指導し,身のまわりのものに着目させることも重要であろう。
(3)(4)の5について
 体積の公式にあてはめることのできた児童は(正答は3×3×3.14×10)75%でこの計算ができた児童は60%弱であり,計算に弱い一面をのぞかせている。
(4)(4)の6について
 角柱の側面積・表面積が立体図形のどの部分の名称であるのかわからないために生じた誤答がきわめて多い。
 指導に際しては,実物模形、展開図,見取り図などを児童に見せたり作らせたりして立体図形の構造の理解や各部の名称をしっかりは握させ,側面積や表面積が同じようにして求められることを通して,物を統合的に見る見方を養うことが大切であろう。
(5)(4)の7について
 立体図形としての円柱と平面図形としての展開図との要素間の関係をとらえさせ,柱体の表面積の求め方は,平面図の求積に帰着させることができることを,具体的な操作を通して強調する必要があろう。
〈数量関係〉
(1)(5)の6について
 正答率は44%で,a×bとした誤答が非常に多い。数量関係をは握していないための誤答と思われる。式は抽象的に扱うのではなく,具体的意味をふまえてとらえ,日常のことばで表現し,対応関係をたしかめ,それを式で表現することも一つの方法であろう。
(2)(5)の7について
 正答率が37%前後と低い。比例・反比例の意味を明確にとらえさせること,四つの性質の特徴を明らかにすること,式やグラフで表現できること,など,重要なことであろう。
 指導では事象を実際に扱い実験・実測によって比例・反比例の概念を学習することも必要であると,思われる。
(3)(5)の9について
 正答率は19%ときわめて低い。比の考え方,割合に対する考え方の理解が不十分なまま,形式的な計算にはいっているためと思われる。
 比の三つの用法は別個なものでなく統一的にみれることや,比例と密接な関係をもっていることを考慮にいれて指導することが大切であると患われる。
(4)(5)の10について
 あてずっぽうでやっていると思われる誤答が多くみうけられる。
 起こりうる場合の数を形式的に計算で求めることに重点をおくのでなく,具体的な操作や樹形図等を用いて指導することが大切であろう。

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