小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告1977-021/42page

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理科
1.概観
(1)「生物とその環境」,「物資とエネルギー」,「地球と宇宙」のいずれの領域においても,知識・理解・科学的な見方,考え方が向上している。
(2)特に予想をたてる,実験,観察より得た結果を解釈する等の科学の方法の習得が向上している。
(3)しかし,実験を計画するとか,実験にあたって条件を制御するとかについては,まだ不十分である。

2.理解の状況
領域 比較的理解されている内容 比較的理解が劣っている内容
生物とその環境 (知識・理解) 1.植物の蒸散作用に関する理解
 蒸散作用が葉でおこなわれ,葉の数によって蒸散量が変化することの理解は,46年度の検査の50.7%から81,0%と向上している。このことから,蒸散が葉によっておこなわれることについては良く理解されていると考えられるしかし,水が根から吸収され,茎を通って葉に運ばれることと蒸散作用を結びつけて考えることについては34.2%とまた十分理解されていない。今後は根による水分の吸収,茎のつくりとはたらき,葉のつくりとはたらきなど,根物のつくりとはたらきを関連づけて理解させる指導が必要であろう。
2.トリの卵の育ちかたの理解
 この教材は,ふ卵器の管理や実験法などに多くの問題をふくみ指導に困難を感ずる教材である。しかし,知識・理解の面から見ると,卵のあたためかたについては,46年度の41.4%から51年度の71.2%へ,また,発生の進行にともなう卵の重さの変化については,35.8%から64.0%へと向上してきている。これらの内容は,実験を通して理解されることであり,新しい教材に対する指導者の研究が実りつつあるものと考えられる。
1.食物の消化されるみちすじについての理解
 食物が口からとり入れられ,消化されていくみちすじに関しては5年でも学習をしている内容である。正答率は50.2%を示しているが,消化・吸収に関する基本的な内容であるため,確実な理解が必要である。誤答の中に消化器官以外の器官名を答えたものもあり,不確実な理解になっていることがわかる。  口中のデンプンの消化を中心にして食物が消化され,吸収されていく過程を順序だてて理解させる必要がある。このとき,5年で学習したヒトのからだ・魚のからだのつくりとはたらき,6年で学習したトリの卵の各教材との関連を十分にはかって指

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