小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告-011/63page

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[1]数と計算の意味
小問ごとの平均正答率の伸び(数と計算の意味)

[1]数と計算の意味
 学習指導要領では,数と計算,量と測定,図形,数量関係の4領域になっているが,この学力検査問題では,5領域にし,それぞれの学力の実態がは握できるように構成してある。
 それは,数と計算に関する指導内容の量が他の領域に比して多く,かつ,この領域では,数と計算の意味理解と計算技能とが考えられるので,この数と計算の領域を2分し,“数と計算の意味”と“計算”の2つの領域をもうけて,基礎的なそれぞれの能力を診断できるように構成したわけである。
 この[1]の領域では,数の概念,計算の意味についての理解,および四則算法を用いて問題を解く能力,等についての診断を考えて出題されている。
 左の図からも分るように,46年度と比して大きく正答率が伸びたのは,3(3)の問題である。これは, 2/3÷4/9÷5/6 をかけ算の式に直す問題であるので,分数計算における除法の計算法則及び分数における逆数の意味が理解されておれば容易にできるものである。大きな伸びを示したというより,46年度の正答率が19.8%と低すぎたところに指導上の問題点があったといえよう。
 このほかで正答率の伸びが大きかったのは,3(1),5(3),6,9(1),(2)などがあげられる。この中で,6は,“3より4小さい数”を数値線上に目もる問題で,負の数が新しく指導要領にとりあげられたその後の指導の成果が大きく表れているといってよかろう。
 反面,46年度と比較して,わずかながら正答率の下がった10に注意する必要がある。この問題は,文章題から, 42×(1−4/7)×1/3 の量関係を導くことが要求されているものであるが,分数の乗法の意味理解が不十分なことを示していよう。このことは,分数の乗法の意味を面積図に示すことを要求されている1の正答率が39.2%と低いことからも知ることができる。分数における計算の方法は理解しているが,量関係と結びつけた意味の理解が十分でないことが今後に残された課題といえよう。


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