小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告-012/63page
[2]計算
[2]計算
一般に,児童の計算力がおちてきている,簡単な計算さえできないとよくいわれているが,今回の調査でみるかぎり,計算力は着実に伸びてきているといってよい。
とくに,今回の分数に関する計算力の調査では,とくべつな問題に対する正答率が大きな伸びを示していることなく,いずれの問題についても平均した伸びを示している。正答率の比較で,一番伸びの低いのが2(1)で9.2差,一番伸びの高いのが1(1)で15.1%であることからもわかるように,分数の簡単な乗除法についても,乗除の混合算についても,あるいは分数の四則混合算に対しても,計算力は着実に向上してきているといってよいと思われる。
この計算の領域については,もう1つの特徴があげられる。それは,他の領域では,A,B,Cの3つの地域区分ごとに,平均正答率に差があるのに対して,この領域ではほとんど,差がみられないことである。(後掲の資料参照)差がでてくるのは,乗除の混合算や四則の混合算においてである。基本的な計算力の向上に,県内の各学校で大きな力を入れている姿が,この資料からよみとることができるように思われる。
この領域では,小問数が15であるが,この中で正答率が70%を割ったのが2題あり,3(4)と4(3)である。
4(3)の問題 11÷(1/4+2/3) では,まず,計算の順序を理解していないものが目だつ。それと同時に,かっこ内の計算処理に抵抗を示している児童が意外と多い。前学年までの既習事項である通分や帯分数に直すことは,分数計算の基礎であることをふまえ,もう一歩の指導の改善が望まれよう。