小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告-013/63page
[3]図形
[3]図形
この図形領域の指導のねらいは,
(1)基本的な柱体(角柱,円柱)やすい体(角すい,円すい)など,立体図形について理解させ,それを認めたり構成したりすることができるようにする。
(2)縮図などの意味について知らせ,図形についての理解を深める。
となっている。
第六学年での中心は,角すい,円すい,円柱などの回転体と角柱である。
今回の調査では,回転体としての円すいの見方が低い正答率を示しているが,各小問ごとの伸びをみるとき,大きな伸び率を示している。とくに6(1)における拡大図の作図は,46年度が44.9%であったものが,79.5%というように大きな伸びを示している。縮図や拡大図が,それぞれ別個なものとしてとらえるのでなく,相似法の考えで統合的に指導をされてきた成果とみることができよう。
46年度より10.7%の伸びを示した3(4)であるが,今回の正答率が57.4%と極端に低い数値を示している。この問題は,円すいを回転体としてとらえられるかどうかを診断するものであるが,その他に示した回転体として,円柱が76.4%,円すい台が97.1%というように,正答率にそれぞれ大きな差がある。このことは,回転体の指導にあたっては,指導すべき個々の内容について,児童のつまずきに十分配慮した扱いが大切であることを示していよう。
回転体の導入には,その母線と軸とが重要な要素であり,それを具体的に確認し,その上に,軸を含む面や,軸に垂直にまじわる面で切って切口を視せたりするが,切りとった平面と底面との位置によって,切口の円の大小など十分に具体的に経験を持たせることが必要と考えられる。