小学校理科教材指導のてびき-032/80page

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7 温度計

1 種類

 ここでは主として普通のガラス製棒状温度計をとりあげました。温度計の液柱には,水銀と赤色着色液(通称アルコール)の2種類があります。水銀柱のほうが誤差が少ないのですが,小学校では見やすさの点から考えて赤色のものでもよいかも知れません。理振法の規格は-5℃〜105℃(1℃目盛)ですが,寒剤を使った実験(4年生)では-5℃以下になる場合があるので-20℃〜105℃(1℃目盛),または-30℃〜50℃(1℃目盛)も準備したほうがよいと思います。

 準備する本数は多いほどよいのですが,最低でも実験班の数は必要です。ただ,予備に沢山購入しておくことはよい方法ではありません。それは長い年月の間に誤差が大きくなるので時々更新した方が得策だからです。

2 操作法

 測温のとき,温度目盛まで液体中に入れる全没式の温度計と一定の線まで入れる浸線付き温度計の2種類がありますが,普通のものにはどちらとも指定されていないのが多いと思います。しかし,誤差をできるだけ小さくするには液柱が液体の中に入っている状態で測温した方が,温度計全体が同じ温度になるのでよい訳です。

 眼の位置が液中上端の目盛面に対して視角が直角になるように置いて読みます。(図-42参照)特に1目盛よりも細かく読むときには十分気をつけなければなりません。

5 操作上の注意

 高温物体や低温物体に急に差し込んだ場合,前者では温度計を破損するおそれがあり,後者では液切れを生ずるおそれがあります。あらかじめ余熱して徐々に差し込むようにするとよいのです。また,強いショックを与えると液切れを起こすので,注意しなければなりません。

図-42 温度計の目盛の読みかた
図-42 温度計の目盛の読みかた


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