小学校理科教材指導のてびき-041/80page
わたって施してあるものを使うと誤差が少なくなります。購入するとき目盛が全周にわたったものを指定するようにします。(100cm3のもので10cm3毎に全周になったものがあります。)
一定量をはかるとき,はかりとる体積に合ったメスシリンダーを用います。
例えば120cm3をはかるときは200cm3のものを使い,70cm3のときは100cm3のものを使います。これは誤差を考えた処置です。
最後の少量を加えるのには,駒込スポイトかガラス管で少しずつ加えて一定量にします。ただし,スポイトは1本で何種類もの薬品に入れてはいけません。
1種類の試薬に1本のスポイトを準備します。
試薬びんからメスシリンダーにとるときは,直接注ぎ込み,ロートやガラス棒を使わないようにします。
試薬を多くとり過ぎたときは,捨てるようにして,決して元の試薬びんに戻してはいけません。これは試薬の純度を保つ上で非常に大切なことなのです。
3 使用上の注意
メスシリンダーの破損を防止するには,使った後は机の端の方に置いたり,立てて置かずに,必ず転がらないように工夫して横に倒して置くようにします。そのために,液体をはかりとったならばすぐ水洗いする習慣が大切です。
メスシリンダーは液体の体積測定器具なので,それ以外の目的に使用するのはよくありません。
例えば,メスシリンダーの中で薬品を溶かすとか,2種類の液体を混合するとか,地層の実験などは,行ってはいけません。特に地層の実験に検定付きのメスシリンダーを用いることは絶対にしてはいけません。これはちゃんとした塩ビパイプのようなものを用いて行うべきです。
メスシリンダーの加熱による乾燥は普通行いません。その時は変形していないようでも,誤差の原因になります。プラスチック製は変形してしまうので絶対に加熱してはいけません。
また,メスシリンダーのガラスは厚いので,熱いお湯を入れると割れることがありますから注意しなければなりません。
写真-26 メスシリンダーの格納(1)