小学校理科教材指導のてびき-052/80page
わないようにします。
3)ゴミやカビがとれたら,最後にキシレンを用いて仕上げふきをします。
※キシレンはレンズ接着剤の溶剤ですので,ごく少量ガーゼ等につけてふいて下さい。この場合も一度使用した布の場所は二度と使用しないようにします。
※どんな場合でも対物レンズを分解してはなりません。ひどいよごれの場合は外注してください。
(3)鏡基(レンズ以外の部分)の手入れ
1)粗動ネジがゆるくて鏡筒が自然に下がってしまうようなときは,粗動ハンドルを両手でそれぞれ握って反対方向に回すと,締めつけられます。
2)粗動ネジがかたくて調節操作がやりにくい場合は,締めつけがかたすぎるためで,1)と反対方向に粗動ハンドルを回して下さい。
3)載物台・鏡基は布にキシレンを少量つけてふきとるだけでよいのです。
(4)保管・点検
長く使用しない場合は,レンズをはずして格納箱に納め,乾燥剤を入れておく。またレンズは一度使用したら必ずよくふいて,カビやホコリなどつかないように注意します。三か月に1回ぐらいは点検が必要です。
5 指導上の留意点
小学校4年生に顕微鏡の使い方の指導をする場合,いきなりプレパラートをつくって操作の練習をさせることは,戴物台が水でぬれたり,対物レンズとの接触によってカバーガラスが破損したり,レンズに傷がついて顕微鏡が使えなくなってしまう危険性があります。
それで,最初はプレパラートの代りにビニールの透明定規(厚さ1mm)を使って充分に顕微鏡の操作をさせてから,プレパラートをつくって検鏡させたほうが効果があります。
(1)透明定規を使っての指導例
1)透明定規の数字を載物台の穴の中央に置く。
2)その数字がどのように見えるか予想させる。
3)検鏡して確かめさせる。
※50倍で視野いっぱいに数字が見えます。70倍では数字がはみ出してしまうので定規を動かして工夫しながら調べる。