小学校理科教材指導のてびき-076/80page

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3 天体望遠鏡

(1)天体望遠鏡の種類

 望遠鏡は遠くにあるものを近くに像をつくって見るための装置で,光をあつめるためにレンズを使った屈折望遠鏡と凹面鏡を使った反射望遠鏡とがあります。屈折望遠鏡は反射望遠鏡に比べて調整する部分が少なく使いやすいので小学校で使うのに適しています。また望遠鏡は台にのせて使いますが,その台には経緯儀式(経緯台)と赤道儀式とがあります。

(2)経緯儀式と赤道儀式の特徴

 経緯儀式は軽くて,取り扱いが簡単で目的の方向へ向けやすいものです。そのかわり,日周運動する天体を長時間にわたって追跡するには赤道儀式のように簡単ではありません。ですから大勢の子どもに同じ天体を見せるには向きません。赤道儀式は,日周運動をする天体を長時間観測したり,天体写真を撮ったりするのに便利です。ただ,経緯儀式に比べて,なれないと使いにくく,目的の方向に向けにくいこと,高価で重いなどの欠点があります。

(3)赤道儀式天体望遠鏡のすえつけ方

 赤道儀式では,正しくすえつけないと,その特徴を生かすことはできません。そのためには,

 ・極軸を正しく南北方向に向けること。

 ・極軸の傾きを観測地の緯度に等しくすることが必要です。

 ア 正しい南北線の決め方

 方位磁針は正しい北をささないので,正しい南北を知るにはその地点で太陽が南中したときの影を使います。

 「理科年表」で,東京(東径139°45′)での南中時刻を調べ,同じ月日の観測地点における南中時刻を求めます。

 例えば,福島県教育センターは東径140°29′で,東京より44′東に位

図-81 赤道儀式望遠鏡の名称
図-81 赤道儀式望遠鏡の名称


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