OHPの活用とTP制作の手びき-040/152page

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3 OHP利用の実際


 これまでOHPの特性や利用法,そしてOHP教材としてのTPの製作法などについて述べてきたが,OHPやその教材を授業の中で,“どこに”“どのように”位置づけるかを検討することもたいせつなことである。
 すなわち,学習指導等をささえているいろいろの条件をあらゆる角度から検討し,構造化された諸教材の一つとして,OHP教材でなければ果し得ない役割を明確にし,指導過程の中に位置づけることが必要である。
 ここではOHP利用の実際として,各教科,道徳,特別活動でのOHP利用の具体例をあげ,先生方の授業での活用の参考にしたい。

1.OHPを授業の中にどのように位置づけたらよいか

 OHPは単なる教材の提示にとどまらず,各種の利用法,提示法の効果を生かして用いることにより,児童・生徒の学習意欲を高め,理解を深めることができる。また,学習者の参加が容易なため,児童・生徒の反応表現の手段としても有効である。
 OHPを利用するにあたっては,このようなことをじゅうぶん考慮し,OHPの教育的機能を最大限に発揮できるようにするため,徹底した教材分析と指導計画作成の中で,学習指導の目標内容,他教材との関連,さらに具体的な学習指導形態などが総合的に吟味され,その中にOHP(OHP教材)が正しく位置づけられなければならない。

(1)OHPの指導計画への位置づけ

 (図-45)は学習指導等にあたって準備される指導計画の作成手順である。これはOHPに限らず教育機器等を導入する場合すべてにあてはまることであるが,あらかじめ指導計画の中にOHP等の利用を明確に位置づけしておき,OHP等を利用して何をねらいとし,どこに,どのような内容のものを導入するかを明らかにすることがたいせつである。
 1時間,1時間の授業だけを考えてOHP等を導入し,利用しようとすると,どうしても無理な利用のしかたをすることもあり,情報を与えすぎたり,あまり効果がなかったりすることもあるので注意を要する。

図45 教育機器を導入した指導計画作成の手順
児童・生徒の実態をは握する。 ○児童・生徒の生活経験,知識,考え方などについて実態をとらえる。
   
単元の目標を決定する。 ○教師の指導の方策をたてる。
○単元を通しての目標をきめる。
   
目標を分析し,下位目標を設定する。 ○単元の目標を達成させるための下位目標を設定する。
○下位目標の関連を明確にする。
   


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