OHPの活用とTP制作の手びき-053/152page

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社会科


1.社会科におけるOHPの活用

 社会科の学習指導を展開するうえで,資料の活用は欠くことのできない重要なものである。このことに関して,新学習指導要領には,小学校の各学年目標の中に「地図,その他の具体的資料を効果的に活用させる。」(第3学年の目標(2))「具体的資料を効果的に活用させる。」(第4学年の目標(3)),「基礎的資料を効果的に活用させる。」(第5・6学年の目標(3))と示されている。また,中学校の各分野目標には,「地理的事象を適切な資料に基づいて多面的に考察し公正に判断しようとする態度を育てる。」(地理的分野の目標(5)),「具体的な事象の学習を通して歴史に対する関心を高めるとともに,歴史的事象を多角的に考察し,公正に判断しようとする態度と能力を育てる。」(歴史的分野の目標(5)),「社会的事象を確実な資料に基づいて様々な角度から考察し,事実を正確にとらえ,公正に判断しようとする態度と能力を育てる。」(公民的分野の目標(4))と示されている。つまり,社会科の学習においては,様々な資料を活用し,多面的,多角的に思考させ,事実,事象を正確には握させ,正しく判断させる必要がある。
 このように,様々な活用をしていくうえで,OHP・TPは大きな機能を有している。特に,社会科では,その利用が盛んで,単純投映法による読みとりや説明,さらには合成分解法・部分提示法・記入消去法などの技法を用いて,児童・生徒の思考を深めさせるための工夫もなされている。
 ここでは,教科の特質からいって「児童・生徒の社会認識の発達の実態に即応する指導(所報第33号参照)」の視点から,その活用例について述べることにする。

2.社会科におけるTP活用の具体例

(1)空間的位置関係をは握させる例(小学校第1学年)

単元 きんじょのくらし,(がっこうのきんじょ)
TPのねらい この単元は,学校やその周りにある通学路の位置を確認し,道路の安全施設のはたらきや安全を守る人々の仕事の様子に気付かせることをねらいとしている。

そのために,学校の周りのことを具体的に観察する能力を養ったり,絵地図づくりをとおして空間的意識を育てたりすることが大切である。絵地図づくりにTPを活用する。

低学年では,具体的なしかも動きのあるTPがよい。児童にとって空間は流動的でとらえどころのないものである。そこで具体物に似せたTPシート片を作り,児童自らの手で動かし,考えていく中で空間的位置関係をつかませようとするものである。(具体物置換法)

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