OHPの活用とTP制作の手びき-102/152page

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家庭,技術・家庭科

1.家庭,技術・家庭科におけるOHPの活用

 家庭科及び技術・家庭科は児童生徒の実践的体験的な学習活動を通して,諸計画の立案,製作,調理,点検整備,栽培などに必要な知識や技能の習得及び能力態度の育成に主眼がある。
 学習活動は主としてグループが中心になり,児童生徒が各種の施設や用具,機器類を使用して,自から取り組み,相互補充の関係を保ちながら学習を展開していくという特徴をもっている。
 中学校の製作学習に例をとってみると,題材のはじめに必ず,製作物の設計や作業計画の立案などの学習が行われる。製作物の設計一つだけをとりあげてみても,生徒たちの中には,製作意図の明確な者や,ただばく然としている者,何をどのように構想したらよいか全然念頭にない者などさまざまである。このとき,製作意図や構想をたしかなものにするため,グループごとに話し合いが行われるが,指導者から,製作物の使用目的,場所,機能,大きさ,形,構想の方法や表示法などがTPによって提示されると,着想や思考の方向と内容が定まり,話し合いも活発になり,製作物の設計という学習がスムーズに展開されるようになるのである。
 製作の段階においては,正確で能率よく,しかも安全に仕事を進める必要がある。そのために,仕事の手順,材料の固定,用具類の正しい使い方,部品加工,組み立て時の注意事項などフィードバックを重視しながら,図や文字を有効に組み合わせたTPを提示するのは効果がある。採寸,裁断,けがき,木取りなどの学習では誤りが許されないのである。さらに,各種の用具,機器,標本,模型などを使って,実験実習が行われるので,これらの備品類とTPをいかに組み合わせて提示するかも大切なことになってくる。
 まとめの段階においては,学習経験の交流や反省,製作物の鑑賞と評価などが行われるが,学習過程に沿ってそれらのポイントを示す必要がある。また,評価についても,自己評価や相互評価が題材の目標に従って適切に行われるように,その観点,尺度,方法などTPにまとめ提示することもできる。

2.指導過程に即した活用例

(1)被服(小学校第5学年)

1.題材名 下着のせんたく
2.本時の目標
 被服のはたらきと関連させ,下着の役割を十分発揮させるために洗たくの必要なわけを理解させ,洗たくに関する基礎的な知識や技能を身につけ,清潔な身なりを日常生活の中で習慣化させる。
3.具体目標
 1)日常生活において清潔な被服を身につけておくことの必要性をあげることができる。
 2)下着の洗たくの必要性がわかる。
 3)洗ざいによって汚れの落ちるわけがいえる。
4.指導過程


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