OHPの活用とTP制作の手びき-128/152page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


道徳
1.道徳におけるOHPの活用
 道徳の授業も他の教科の授業と同じように教材を媒介にして進められる。教材のないところでは問題意識も高まらないし,価値葛藤場面にも立たせることができない。教材提示の機能をもつOHPの活用も指導過程に位置づけることができる。以下,指導の段階を導入,展開・終末の三段階に分けてOHPの活用のあり方,を考えてみる。
〈導入〉
 導入の段階は,主題に対する経験を想起させ,主題にとりくむねらいに直結する問題の発見や意識化をねらって資料を提示する。OHPは,この段階では生活の実態・価値意識等について事前に調査した結果を図や表にして提示し,短時間に問題に気づかせたり,ねらいとする価値に目を向けさせるのに効果的である。TP化にあたっては,ひとりひとりの具体的な生活を反映し,想起させうるものになるようくふうする。
〈展開〉
 展開の段階では,中心資料をもとに自分自身をかえりみながら,ねらいとする価値への深化をはかられるようにする。OHPは,この段階ではあらすじを図解したり,場面や人物をさし絵等にして提示することによって,中心資料の内容理解や価値の追求をすすめるのに効果的である。
〈終末〉
 終末の段階では,実践の気がまえをつくることがねらわれる。実践への気がまえとは,ひとりひとりの心の中に,あるまとまりのある意志的な概念ができた状態とみることができる。これは,的確なことばや文字・図解によって表現されることによってより明確となる。OHPは,この段階では,実践への気がまえを的確なことばや文字・図解によって表現し,これをひとりひとりの心の中に定着させるのに効果的である。
2.OHP活用の具体例
(1)指導過程に即した活用例
 1)〈小学校〉第1学年
 1.主題名 橋の上のおおかみ(文部省 道徳の指導資料 1年1集)
 2.主題設定の理由 略
 3.ねらい
 いじわるな遊びやおこないは,みんなを不愉快にさせることを考えさせ,相手の気持ちを考えて友だちどうしがたがいにやさしく助けあおうとする意欲を育てる。
 4.指導過程

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。