猪苗代盆地が形づくられる地殻変動で,会津盆地や田島盆地の盆地構造の形成も始まりました。そして,この変動は現在もなお継続されており,周辺の山地に対して相対的に平地は沈降を続けています。
新潟県との県境近くには,新第三紀の地層や火山岩類からできている越後山脈が,南北に連なっています。これらの地層の特徴や地質構造は新潟油田地帯地質と非常によく似ています。
みちのくの玄関
福島県といえば,観光のメッカである磐梯・吾妻スカイラインを連想し,葵御紋の会津藩が官軍を相手に凄絶に闘った戊辰戦争での白虎隊士の姿に思いを馳せ,雲雀が原(原町市)での勇壮な野馬追いの神旗争奪戦が連想されます。
本県は古く大和朝廷の昔から道奥国の玄関口として,あるいは“蝦夷・俘囚”の地との接点として,日本歴史の潮流に大きな役割を果してきました。
明治4年7月14日の廃藩置県で,現在の福島県内には福島,若松,白河,二本松,中村,三春,平,泉,棚倉,湯長谷の10県が生まれたが,間もなく会津が若松県,中通りが福島県,浜通りが磐前県となり,さらに明治9年に3県が合併し,現在の福島県が誕生しました。全国第三位の面積をもつ県土は,地形的に奥羽脊稜山脈と,東に並行する阿武隈山地によって太平洋沿岸の浜通り,白河から福島までの中通り,100をこえる峠にかこまれた会津の三つに区分されます。この三地区は,それぞれ地形の影響を受け,気候・自然条件いずれも大きく異なっています。会津の里が大雪に難儀しているとき,浜通りでは,ミカンがみのり,中通りには異常乾燥注意報がだされるといった違いとなって現れています。この三地区の自然環境のちがいが,県民性の多様さに深くかかわりをもっています。
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