-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-006/170page

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3.くびなが竜が泳いだ海(中生代のころの浜通り)
日本列島は,古生代末から始まった造山運動によって,隆起,沈降を繰返しながら,大陸の一部となり陸化していきましたが,ジュラ紀に入ると,日本海側から海進が始まり(現在の日本海のもとになる),陸地の一部は沈降をはじめ,大平洋側の海岸線も入江ができたりして,海岸線がデコボコになりました。
この時期の浜通り地方の地層で,ジュラ系のものは相馬層群として,原町市の高倉から新地町の鹿狼山へ10数qにわたり帯状に分布しており,これらの地層からは,アンモナイト,二枚貝のトリゴア,ソテツ類,シダ類などの化石がみつかっています。これらの化石から,ジュラ紀の浜通りは,海成層に始まり,陸成層さらに海成層へと海進,海退をくり返した跡があり,その頃の陸上には,裸子植物やシダ植物が繁茂していたことがわかります。また,いわきから相馬地方にかけて,白亜系の双葉層群が四倉町玉山付近から富岡町上手岡にかけて,くさび状に10数qにわたって分布しています。岩質の多くは硬質で,暗青色の砂岩,又は砂質泥岩です。
これらの地層からは,アンモナイト,イノセラム,トリゴニアが見つかっており,最近,くびなが竜が発見され,一躍いわきの白亜層は有名になりました。
白亜紀の終りから,第三紀にかけて,日本列島に分布する大部分の花崗岩の貫入や,大量の火山岩の噴出がおこりました。この地殻変動で,阿武隈山地には,花崗岩が大規模に貫入しました。

第三紀以前の海と陸(福島県史より)
第三紀以前の海と陸(福島県史より)

 

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